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フェイスNW Research Memo(4):2期連続で過去最高益を達成、物件価値向上で利益率も大幅改善

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■フェイスネットワーク<3489>の業績動向

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の業績は、売上高が32,916百万円(前期比10.0%増)、営業利益が5,632百万円(同24.6%増)、経常利益が5,165百万円(同25.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が3,586百万円(同29.5%増)となった。

売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のすべてにおいて過去最高を更新し、業績面で大きな成果を残した期となった。以前から継続して取り組んできた物件価値の向上施策が奏功し、収益性の改善と販売価格の上昇が進んだことで、売上・利益ともに力強い成長を実現した。加えて、中期経営計画に掲げた利益目標を達成しており、同社の事業戦略が着実に成果へ結びついていることが確認できる内容である。

特に注目されるのは、売上総利益率の改善である。Well-Beingな体験価値の導入や、空間デザインの工夫をはじめとする物件価値の向上施策を継続的に実施した結果、売上総利益率は26.9%まで上昇した。売上総利益額についても3年間で約2倍に拡大しており、同社が進める高付加価値化戦略が収益構造そのものを変化させつつあることがうかがえる。一方、費用面では人員増により人件費が増加したほか、「GranDuo」シリーズの認知拡大を目的とした積極的なPR活動により広告宣伝費も増加した。このPR活動においては、タクシー広告やブランドサイトの構築、SNSを活用した施策などが展開された。

セグメント別の動向は、不動産投資支援事業で不動産商品22件、建築商品4件を販売した。2026年3月期は投資ファンドへの売却を行わず、顧客層は個人や事業法人が中心となった。竣工物件の平均販売単価は上昇傾向にあり、高付加価値化戦略の推進が売上総利益の増加に寄与した。同社は単に販売件数を追うのではなく、物件ごとの価値向上を重視する戦略をとっている。具体的には、Well-Beingを意識した居住空間やデザイン性の向上など、他社と差別化した商品開発を行うことで、価格競争に頼らない収益モデルを構築している。特に競争の激しい都心部においては、デザインや居住体験を重視した高付加価値戦略が、投資家と入居者の双方から高く評価される可能性は大きい。不動産マネジメント事業は、同社が開発した物件の入居者募集や管理受託による売上が支えとなり、ストック型ビジネスとして堅調に成長している。一方で、コロナ禍にファンド向けに一括販売した物件の管理契約が解除されたため、22棟400戸が減少した。これにより、前期末比で管理棟数は2棟、管理戸数は176戸減少し、2026年3月末時点の管理戸数は2,598戸、管理棟数は219棟となった。短期的には管理契約解除によるマイナスの影響が出ているものの、全体としては管理物件を着実に積み上げている。

また、デザイン性の向上や都市環境への配慮に加え、事業基盤を強化するための取り組みを推進した。「2025年度グッドデザイン賞」においては、「THE GRANDUO OKUSAWA UTAKATA」「クラリティア文京本郷」「クラリティア世田谷砧」「THE GRANDUO CHITOFUNA」「THE GRANDUO MINAMIAOYAMA」「クラリティア都立大学」「グランデュオ下北沢12」の7物件に加え、「小さな緑を集めて100坪の森を創る」というプロジェクトが受賞を果たした。都市緑化施策としては、「植栽の立体化と維持管理」「住戸に緑の庭を取り込む」「植栽帯を使った小さなダム」「打ち水効果で街を冷やす」「小さな緑を集めて100坪の森を創る」「GREEN CHARITY」の6つの視点から、都市環境の向上を目的とした取り組みを実施している。

さらに、本社移転によってグループ全社員の拠点を1ヶ所に集約した。緊密なコミュニケーションがとれる職場環境が整い、意思決定の迅速化や生産性の向上、ワンストップサービス体制のさらなる強化を図った。加えて、オーダーメイドキッチンメーカーの(株)Madreを子会社化し、「GranDuo」シリーズ向けのオリジナルブランドキッチンを制作するなど、物件の価値を高める施策を進めている。現在、制度面におけるPMIは順調に進行しており、今後も物件価値の向上につながる技術やノウハウを持つ企業に対しては、継続してグループ化を検討していく方針である。

2026年3月期は、物件価値の向上に向けた取り組みが奏功し、売上総利益率の改善が進展したことも特筆すべき点である。主力ブランドである「GranDuo」シリーズについても、竣工・販売ともに順調に推移しており、2027年3月期以降のさらなる成長に期待が持てると弊社では見ている。

2. 財務状況
2026年3月期末の資産合計は、前期末比4,550百万円増の34,587百万円となった。仕掛販売用不動産が3,182百万円、販売用不動産が2,310百万円、完成工事未収入金が374百万円、現金及び預金が301百万円増加した一方で、土地が1,127百万円、建物が662百万円減少した。負債合計は同1,928百万円増の22,199百万円となった。1年内返済予定の長期借入金が2,593百万円、短期借入金が269百万円、未払法人税等が190百万円増加した一方で、長期借入金が636百万円、未成工事受入金が514百万円、工事未払金が122百万円減少した。純資産合計は同2,622百万円増の12,387百万円となった。これらの結果、自己資本比率は35.8%(前期末は32.5%)となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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