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トヨタ株価低迷…買いの好機か?なぜ3期連続減益に?関税影響と投資のポイントを解説=峯岸恭一

<15%関税は232条で継続|最高裁の違憲判決後も自動車は軽減されず>

米国の自動車関税は2025年9月16日から15%が適用済みで、27年3月期は通年でこの税率が前提です。内訳は基本税率(MFN)2.5%と、通商拡大法232条に基づく12.5%の合計15%で、2025年7月の日米合意により従来の27.5%から引き下げられた経緯があります。

ここで誤解されやすいのが、米最高裁の関税判決の影響です。米連邦最高裁は2026年2月20日、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく相互関税を違憲と判断し、政権はこの相互関税の徴収を終了しました。ただし、自動車や鉄鋼に課される232条関税は今回の判決の対象外で、引き続き有効です。

つまりトヨタを直撃する自動車の15%関税は、最高裁判決後も軽減されていません。関税は当面続く固定的なコスト要因とみるのが現実的で、株価の上値を抑える材料として残ります。基本税率2.5%だった時期と比べれば、税率は今も6倍の水準で固定されたままです。

<為替前提1ドル=150円|1円円安で営業利益500億円押し上げ効果>

27年3月期の前提為替レートは1ドル=150円、1ユーロ=180円で、26年3月期実績の対ドル151円とほぼ同水準です。トヨタは1円の対ドル円安が営業利益を500億円押し上げると試算しており、感応度の大きさは国内自動車メーカーでも突出しています。

日産自動車の感応度が1円あたり120億円、ホンダが100億円、三菱自動車が26億円なのと比べても、トヨタの為替依存度は群を抜いて高い水準です。足元の2026年6月は中東情勢の緊迫を背景に1ドル=160円前後まで円安が進む場面があり、前提の150円より約10円の円安で推移しています。

この水準が続けば営業利益は数千億円規模で上振れる余地が生まれます。一方、日銀の追加利上げ観測や中東情勢の沈静化を受けて円高へ振れれば、上振れ余地は縮みます。為替の方向感が短期的な株価の振れを左右する状況が続きそうです。

<米国EVシフト鈍化でHEV強者・トヨタの再評価が進むか>

米国でEV普及政策の縮小が相次ぎ、ハイブリッド車(HEV)の需要が再拡大している環境変化が、トヨタにとって追い風になりつつあります。

ジェトロのデータによると、2025年第1四半期の米国BEV販売台数は前年同期比+11.0%増の30万台と伸びは続きますが、2020年代前半の勢いから減速している状況です。クリーンビークル購入への税額控除撤廃が議論されており、EV普及ペースの鈍化が予想されます。

一方、欧州連合(EU)の2025年新車販売台数ではHEVのシェアが前年の31%から34%に上昇し、ガソリン車を抜いて動力別で初めて首位となりました。HEVは前年比+13.7%増の373万台に拡大しています。日経電子版の報道によると、トヨタは2028年のHEV生産台数を26年計画比+30%増の670万台規模に引き上げる方針で、HEV比率を5割から6割へ高める計画です。HEV強者としての再評価が、株価回復の鍵を握る要因になる可能性があります。

プロが見るトヨタの正常収益力|関税影響を除いた本当の稼ぐ力

ここからはアナリスト視点で、関税影響という一過性要因を除いたトヨタの正常収益力を試算してみましょう。表面的な減益ニュースだけで判断すると、トヨタが構造的に稼ぐ力を失ったかのように見えるかもしれません。

実際の中身は大きく異なります。一時的なコスト要因をはがしてみれば、トヨタの収益基盤は依然として日本企業の中で群を抜いており、現在の株価水準は過度に悲観されている可能性も否定できません。

アナリスト目線では、関税のような一時要因を機械的に除外した「正常化後の利益水準」を見極めることが、長期保有の判断材料として重要になります。

Next: トヨタの本当の実力は?長期投資家が注視すべきこと

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