■テリロジーホールディングス<5133>の事業概要
1. 事業概要
同社グループは事業区分を、ネットワーク関連製品の販売・保守などを展開するネットワーク部門、同社グループ開発製品を含めたネットワークセキュリティ関連製品の販売・保守などを展開するセキュリティ部門、同社グループ開発含むソフトウェアの販売・保守、ITサービス、インバウンド関連プロモーションなどを展開するソリューションサービス部門としている。ネットワーク部門とセキュリティ部門はシリコンバレーやイスラエルなど海外新興IT先端企業の製品取り扱いが主力である。ソリューションサービス部門を含めて、取り扱いソリューションはネットワーク関連、ITセキュリティ関連、OT/Iotセキュリティ関連、クラウドセキュリティ関連、CTI関連、同社グループ開発/運用管理/モニタリング関連など多岐にわたる。
事業別売上高について、ネットワーク部門は4~5年ごとの更新需要によって変動するものの、更新及び保守が主力のためおおむね横ばいで推移しているのに対して、セキュリティ部門とソリューションサービス部門はいずれも売上高が拡大基調である。2021年3月期と2026年3月期の実績で比較すると、ネットワーク部門は1,616百万円から1,787百万円と微増にとどまっているが、セキュリティ部門はサイバーセキュリティ対策需要の拡大を背景として1,628百万円から4,434百万円へ約2.7倍に拡大、ソリューションサービス部門は2021年3月にクレシードを連結子会社化、2024年3月にログイットを連結子会社化するなどM&A効果により936百万円から4,424百万円へ約4.7倍に拡大した。これに伴って売上構成比は、ネットワーク部門が34.4%から16.8%に低下した一方で、セキュリティ部門が34.6%から41.6%へ、ソリューションサービス部門が19.9%から41.6%へ上昇した。
2. ネットワーク部門
ネットワーク部門は主にテリロジーが、ネットワーク関連製品(スイッチ、ルータ、無線LAN、DNS/DHCPなど)の販売・保守、企業内情報通信システムやインフラの設計・構築、テレビ会議システムの販売・保守などを展開している。売上高の内訳は製品・サブスクが約5割、保守が約5割となっている。
主要商材としては、IPアドレス管理サーバ製品の「Infoblox」(米国Infoblox製)、DDoS(Distributed Denial of Service)攻撃対策やWAN回線負荷分散など企業内ネットワークが抱える課題を解決する「Radware」(イスラエルRadware製)、クラウド型無線LANシステム「Extreme Networks(旧 Aerohive)」(米国Extreme Networks製)などがある。
3. セキュリティ部門
セキュリティ部門は主にテリロジーとコンステラセキュリティジャパンが、サイバー攻撃や不正アクセスによる情報漏えいなどの脅威に向けた対策としてCTIセキュリティサービスの提供、ネットワークセキュリティ関連製品(ファイアウォール、侵入検知・防御、情報漏えい対策など)の販売・保守、セキュリティ認証基盤(ネットワーク上のサービス利用者を識別すること)の販売・保守、不正取引対策のワンタイムパスワード製品の販売・保守などを展開している。売上高の内訳は製品・サブスクが約8割、保守が約2割となっている。
同社グループ独自のセキュリティサービスは、ランサムウェアに代表されるサイバー犯罪への対応、APT攻撃(標的型攻撃)グループによる社会インフラへの攻撃や知的財産権のような重要情報の搾取からの防衛、国家を背景に持つグループによるディスインフォーメーション(情報作戦)の検知といった3つの領域に注力している。世界中でSNSを利用した情報戦・認知戦が重要度を増していることから、この分野の分析・対策の成長が期待されている。
主要商材としては、電力系などの重要インフラや工場・ビル管理などの産業制御システム分野のOT/IoTセキュリティ対策に強みを持つ「Nozomi Networks」(米国Nozomi Networks製)、ログ管理・分析クラウドセキュリティサービス「Sumo Logic」(米国Sumo Logic製)のほか、ネットワーク不正侵入防御セキュリティ製品「TippingPoint」(米国TippingPoint製、2010年に米国ヒューレット・パッカード(HPQ)が買収、2015年にトレンドマイクロ<4704>が買収)、ワンタイムパスワードによるユーザー認証で不正取引を防止する「OneSpan」(ベルギーOneSpan製)などがある。
また、CTIセキュリティサービスでは、サプライチェーンのリスクを可視化する「BitSight」(米国BitSight製)、同社グループ開発のサイバー脅威ハンディングソリューション「THXシリーズ」などのほか、2023年10月にクラウドアプリケーション利用における内部不正を検知する「TrackerIQ」(イスラエルRevealSecurity製)、Cyabra(イスラエル)の技術を活用した「ソーシャルメディア脅威インテリジェンスマネージドサービス」の提供も開始した。
同社グループはCTIセキュリティサービスにおいて2021年に警察庁の大型案件を獲得した実績を持っている。さらに2023年4月にはテリロジー、兼松エレクトロニクス、グローバルセキュリティエキスパート<4417>の3社協創により、産業用制御システム(OTシステム)のセキュリティコンサルティングからOT製品及びネットワーク製品の実装まで、ワンストップで支援する総合支援サービス「Technical Knowledge Guardian for OT セキュリティ」の提供を開始した。また、日本電気(NEC)<6701>が同月に提供開始した工場など制御システムのセキュリティを監視するマネージドセキュリティサービスに、テリロジーが販売する「Nozomi Guardian」(米国Nozomi Networks製)が採用された。2025年5月に資本業務提携したサクサについては、サクサが展開する情報セキュリティビジネスに対して同社グループ製品・サービスの実装を推進している。
なお直近のトピックスとして、2025年6月にコンステラセキュリティジャパンが仏Filigran SAS(以下、Filigran)と日本国内におけるマスターディストリビューター契約を締結した。Filigranは、世界的に著名なオープンソース脅威インテリジェンスプラットフォーム「OpenCTI」及び「OpenBAS」から構成される独自のeXtended Threat Management(XTM)スイートを開発している。同年9月には日本サイバーセキュリティファンド1号投資事業有限責任組合が、第二号出資先としてコンステラセキュリティジャパンに出資した。同年11月にはテリロジーが、SaaSセキュリティのリーディングカンパニーである米Obsidian Security,Inc.(以下、Obsidian Security)と日本における販売代理店契約を締結した。Obsidian Securityは北米で最も急成長している企業500社「2025年デロイト・テクノロジー・ファスト500」において95位にランクインしている。2026年2月にはテリロジーが英国Advanced Cyber Defence Systems Ltd.と販売代理店契約を締結し、日次スキャンで脆弱性を即座に特定するEASM(External Attack Surface Management:外部攻撃対象領域管理)製品「Observatory」の販売を開始した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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