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ジョジョの奇妙な人口問題~「100人村」で理解する2065年日本の危機=東条雅彦

借金の増加ペースに歯止めがかからない

「国の財政書類」には、今まで資産と負債がどのように推移してきたかを示しています。

<国の財務状況(1998~2015年)>

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エコノミストの中には、「政府の借金ばかりに焦点をあてるのは間違いである。多くの資産も持っているから大丈夫」(いわゆる俗論)と言う人もいますが、実際には債務超過が続いています。

誤解がないように言いますが、その債務超過自体が問題なのではありません

資産の増加ペースよりも、負債の増加ペースの方が速くなっていて、負債の膨張を抑えられなくなっていることが問題なのです。

1998年度末の資産合計額は679兆円で、その17年後の2015年はほぼ同じ672兆円に留まっています。その間、負債合計額は813兆円から1.47倍の1193兆円に膨張しています。

負債には利子があるので、ある一定ラインを超えると、数列の発散のように無限大に拡大していくという性質を持っています。

「負債の増加が永久に続く」と大多数の人に見なされれば、新たな資金調達ができなくなり、財政持続が不可能になります。

経済規模を示す名目GDPは長年500兆円前後に留まっており、すでに財政の持続可能性が失われていると見なす人が出てきても、何ら不思議ではありません。

そして今後、「資産の増加ペース<負債の増加ペース」の状態が永久に続き、財政持続性が懸念される大きな要因の1つが人口減なのです。

借金地獄からの脱出には「奇跡」が必要!?

この100人村は48年後には70人村になることが確定しています。働き手の15~64歳のゾーンが60人から36人に減ってしまいます。ここが一番、深刻な問題です。

人口の多い時に作った借金を、少ない人口で返済しようとするのは、なかなか大変なことです。

今、日本の名目GDPは約500兆円です。国の借金は1000兆円を超えていて、GDPの2倍以上で推移しています。人口は約1億2700万人なので、一人当たりGDPは約390万円です。

100人村で換算した場合、村全体のGDPは3億9000万円になります。

働き手の人口が4割も減る中で(60人→36人)、現状の経済規模を維持しようとした場合、働き手は以前よりも約1.66倍も稼がなければいけません。一人あたりGDPで見ても、約1.43倍の稼ぎが必要です。

<働き手が60人から36人になる>

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さらに付け加えると、財政破綻を回避するためには、現状の経済規模(GDP)を維持するだけではいけません

もし現状維持に踏みとどまった場合、今のペースで借金が加算されていってしまいます。どうにかして「経済成長速度>借金の増加速度」という状態を作りだなければいけないのです。これは相当、困難なことだと思われます。

戦後の復興期から奇跡的な経済成長を遂げた「東洋の奇跡」を、もう一度起こすぐらいの気持ちで立ち向かっていく必要があります(この件については来月のメルマガで取り上げます)。

Next: 「国民は債務者ではなく債権者」の俗論をジョジョのスタンドが斬る!

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