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ジョジョの奇妙な人口問題~「100人村」で理解する2065年日本の危機=東条雅彦

村の借金は増大しているのに、村人は減っていくという現実

2017年現在、1億2,653万人の人口が、48年後の2065年には約3割減の8,807万人まで減ります。100人の村人が、48年後には70人になるのです。

<100人村は48年後には70人村になる>

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単純に村の人口が少なくなるだけではなく、高齢化率が急速に上昇していきます。

65歳以上の村人は1人(28人→27人)しか減っていないのに、15~64歳の村人は24人(60人→36人)も減ってしまいます。

働き手が4割も減って、今の人数の6割(36人÷60人)にまで落ち込みます。その一方で、村が抱える借金は一直線に増えていっています。

増加し続ける村の借金

財務省は先月3月31日に、2015年度の「国の財政書類」を公表しました。コチラの資料(2016年3月/PDF)がそのポイントをまとめた資料となります。

この資料は、一般会計と特別会計を連結した決算書となります。年金、医療などの社会保障にかかる行政サービスも、すべて含んだ金額が記されています。つまり、これを見れば国全体の財政状況がわかるというわけです。

まずはバランスシートから見ていきます。

<国のバランスシート(2015年度確定値)>

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既に国全体では520.8兆円の債務超過に陥っています。国民一人当たりに換算すると、次のようになります。

<国民一人当たりに換算したバランスシート>

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イメージしやすいように金額を10倍にして、100人村で例えます。

<100人村のバランスシート>

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100人村で例えると言っても、前項でも述べたように、この村で働いている人は半分の50人です。実質的に借金を返済できるのは、村人の中でも「働いている人」だけになります。

半分の50人で換算した場合、一人当たりの借金額は2倍の1,880万円となってしまいます。

Next: 人口の多い時に作った借金を、少ない人口でどう返済するのか?

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