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【9月米雇用統計】利上げは一旦忘れるべし。レンジ103~105円、強すぎる数字に要注意=ゆきママ

想定レートは1ドル=103.00~105.00円。ほどほどの数字がベストか

事前予想値を大きく上回るような強い結果、あるいは弱すぎる結果といった極端な数字が出てこない限り、基本的には底堅く推移すると考えています。

今週に入ってから、すでにドル円は3円近くも円安に振れているため、上値に限界が近いのではないかといった声もありますが、押し上げてきた背景というのは、過度の円高&ドル安の巻き戻しといった面が大きく、過熱感はさほどありません。

ユーロドルを見ればわかるように、本質的にドル高が強まっているかといえば、そこまでではありませんからね。先週、先々週とあわや100円の大台割れという水準(100.08~100.09円)まで円高が進んだこともあって、IMMポジション(投機筋のポジション)で、円の買い越しが史上最高とされた今年4月に次ぐレベルまで積み上がっていましたから、利益確定も含めたショートカバー(ポジションの決済)が活発化し、ドル円の上値を伸ばしているのでしょう。

したがって、4月に1週間で4円以上も巻き戻されたことや、まだまだドル高が本格化してないことから、上方向への調整余地はありそうですので、今の相場の雰囲気を壊さない程度のほどほどの数字(非農業部門雇用者数が+15~25万人)になれば、素直に好感して底堅い動きが継続するのではないかと考えています。

加えて、先行指標もかなり好調なので、雇用者がやや予想を下回っても、好調な賃金上昇率などが下支えするといったパターンもありそうですからね。下振れする可能性は高くないと考えていますし、よほど大きく下回らなければ(非農業部門雇用者数が+10万人以下)大丈夫といった感じなので、上目線気味でいます。

そして、上下の目処については、上は先月の高値であった104.32円があり、さらに105.00円という大きな節目があります。1ドル=100~105円というレンジ相場から抜け出すことがあれば、一段と上昇余地が広がるわけですが、非農業部門雇用者数が多すぎてもダメという限られた条件下では、上値も自ずと制限があるのかなと。

また、下はこれまで非常に強いレジスタンス(上値抵抗)として機能してきた、一目均衡表の雲の上限が103.10~103.20円近辺が支えになるでしょう。ただし、あっさり割り込んで再び雲に入ってしまうようだと、ドル円の上昇展望はかなり描きにくくなるでしょう。

ドル円チャート。再び雲(水色)に入ってしまったら手仕舞い。

ドル円チャート。再び雲(水色)に入ってしまったら手仕舞い。

ですので、戦略としては103円台を割り込んでこない限りは上目線で、押し目を狙ってトレードといったところでしょう。104.30円手前、105.00円手前では利益確定103円を割り込んだら一旦終戦です。

それから、特にドル円の値動きに関しては、明確な根拠があるわけではなく、市場全体に漂う雰囲気を感じとって進んでいるだけに、これを乱すようなマイナスな動きが、株・原油・金利などに発生してしまうと、上昇が難しくなりますので、警戒して見ておきましょう。

実際に、今朝、ポンドが突如として5%近い急落(原因不明)をしたことで、水を差される格好になりました。落ち着きを取り戻し始めたので、今のところ影響は限定的ですが、こういったイレギュラーな動きによって、ドル円の潮目が変わってしまうことは十分考えられますから、トレードする際は意識していただければと思います。

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2016年10月7日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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