先行指標は良好!強すぎる結果には要注意?
それでは、先行指標や事前予想値、注意すべきポイントなどについてまとめておきたいと思います。まず、先行指標は以下のとおりです。
全体的に大きく改善しています。ただし、非農業部門雇用者数と相関が最も高いとされる、ADP雇用報告が弱めの数字となっているのが唯一の気がかりといったところでしょう。
その他については、ISM製造業の雇用指数がやや改善。まぁアメリカの労働者に占める製造業従事者の割合は1割にも満たないため、あまり気にしすぎることはないでしょう。
むしろ、ISM非製造業における雇用指数の方がよほど重要となるわけですが、前月から+6.5ポイントと、統計開始以来、過去最大の伸びとなっており、ドル円の一目均衡表の雲抜けの原動力となりました。また、最新の新規失業保険申請件数も1973年以来、43年ぶりの低水準を記録しています。
これだけ先行指標が好調だと、期待感が強まって事前予想値も高いのではと思うかもしれませんが、非農業部門雇用者数は+17.4万人、賃金上昇率は前月比で+0.3%と、特に雇用者数は控えめな数字となっています。
なぜこうなっているのかと言えば、完全雇用に限りなく近づいていると考えられているからですね。もはや労働市場には、スラック(緩み)がなくなって、どんどん雇用できる人材が減っているということです。だからこそ、時給がアップし、賃金インフレにつながっていくということです。
そのため、今回は非農業部門雇用者数において、+30万人に近い強過ぎる数字が出てきた際は、その後の展開に最大限注意するようにしましょう。発表直後こそドルは買われそうですが、これだけ雇用者の増加余地があるということは、まだまだ労働市場には緩みがあり、引き締まりは不十分という見方につながって反落するなど、相場が荒れる可能性がありますからね。