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ノーベル賞無視のボブ・ディランと「一流トレーダー」の意外な共通点=矢口新

誰が「無礼かつ傲慢」なのか

ノーベル賞とは何という権威だろう。本人が知らない所で、本人の意向など全く顧みず、当人の人生を変えてしまうような決定を下し、それを受け入れないと、「ノーベル賞を欲しくないのだろう。自分はもっと大物だと思っているのかもしれない。あるいは反抗的なイメージのままでいたいのかもしれない」などと邪推する。

これは権威を笠に着た発言だ。もしかすると、電話にもでないことは無礼だと見なす人がいるかもしれないが、礼儀を言うならば、選出前に電話をするべきだ。今後の人生を変えるような重大なことを、当人の了承なしに行うことは、本来の礼儀ではない。好意、善意の押し付けだ。すべての人がノーベル賞を喜ぶ必要があるだろうか? 名誉の押し付けはできない。

ボブ・ディランは、ノーベル賞に値すると選考主体のスウェーデン・アカデミー自らが認めた人だ。その賞が名誉に値するものならば、アカデミーの一員は受賞者に敬意を払うべきだ。敬意があれば、電話に出てくれないことは、自らの反省の材料とすべきことで、責める筋合いはない。「無礼かつ傲慢」というのは、個人の意思、しかも自らが偉大だと認めた人の意思に対する敬意のかけらもない発言だ。権威とは恐ろしいものだ。

文学は多様性を尊ぶ。その意味では、ノーベル賞だからと無条件に有難いと受け入れる人たちから一線を引き、電話にもでないボブ・ディランは、まさに文学的だ。これらのことで、ノーベル賞の権威が傷ついたとすれば、傷つけたのはボブ・ディランではなく、ペール・ウェストベリ氏の方だろう。

権威が最も忌み嫌うもの

日本人でも、ノーベル賞の受賞者は数多いが、受賞への反応を見れば必ずしも一様ではない。権威に評価されたことを喜び、自らの権威の箔付けとした人もいれば、研究課程の一成果として淡々と受け入れた人、権威や受賞そのものにはさほど興味はないが実益や後進のために大人の対応をした人などだ。

ペール・ウェストベリ氏の発言は権威の持つ特質を端的に表している。権威は、権威を否定されることを恐れるのだ。ノーベル賞に限らず、官位、勲章、役職、その他の権威に繋がるものは、その権威を認める相手にしか効果がない。ペール・ウェストベリ氏は、ボブ・ディランと連絡を取れないだけで、パニックになったように見える。

ノーベル賞を頂点とする権威のピラミッドは、社会を固定化する。選ばれた選ばれないと一喜一憂することで、権威の存在を認めてしまう。そうなれば、選考主体が受賞者の上に君臨することになる。それを破壊できるものは比較や数値化だ。競争や数値化は権威を裸にしていく

私が最も大きな「相場の魅力」として挙げるのがその点だ。相場では、私はどんなノーベル経済学賞受賞者にも負けない自信がある。相場では、権威などは全く役立たないのだ。相場は富を分配する場所だ。一般人が自分の裁量だけで、権威に挑戦し、富の分配に預かれる場所は、世の中に多くない。


※本記事は『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』(2016年10月24日号)の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』(2016年10月24日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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