さよなら、黒田ピーターパン
黒田日銀総裁は昨年6月のカンファレンスで、ピーターパンを引用して追加緩和に対して、次のような意気込みを語っていました。
「皆様が子供のころから親しんできたピーターパンの物語に、『飛べるかどうかを疑った瞬間に永遠に飛べなくなってしまう』という言葉があります。大切なことは、前向きな姿勢と確信です」
今回の目標先送りで、「ピーターパンが飛ぶのを止めて、現実的な路線を採用する事で地上に降りた」と揶揄する人も出てきました。
せっかくですので、私もピーターパンの話を引用させていただきます。
夢(緩和)か現実(引き締め)かあいまいなピーターパンの世界からウェンディが戻ったとき、空には海賊船の形をした雲が浮かんでいました。そして、彼女はパパに「私、大人になる」と発言したのです。
黒田ピーターパンの本当かうそか判らない夢物語に付きあわされていた人たちが、一人また一人とウェンディのように目が覚めて大人になっていくでしょう。
我々はちょっと不思議な形の雲を見てそんな夢を見ていただけで、どこまでも緩和をしてくれるピーターパンなんて最初から存在してなかったのかもしれません。
本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2016年11月3日)
※太字はMONEY VOICE編集部による
無料メルマガ好評配信中
元ヘッジファンドE氏の投資情報
[無料 ほぼ 週刊]
日本株のファンドマネージャーを20年以上、うち8年はヘッジファンドマネージャーをしてきたE氏による「安定して稼ぐコツ」「相場の見方」「銘柄情報」を伝授していきます。