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北朝鮮の核はアメリカ公認? トランプが軍事行動に出ない真の理由=斎藤満

米国は誰に何を警告しているのか?

そうなると、ヘイリー米国連大使の警告、牽制は誰に向けられたものでしょうか。一般的な受け止めは、米国が北朝鮮に対して、これ以上核ミサイル開発を進めれば、米国が軍事行動も辞さない、との警告と受け止められていますが、北朝鮮はこれを全く意に介していません

これはトランプ政権にはそれだけの行動力がないと「足元を見られているため」との見方もありますが、米国が北朝鮮の核ミサイル開発に協力しているので、米国自身が軍事行動に出ることを咎め、北朝鮮は「米国が軍事行動に出ることはない」と承知しているからではないかと見られています。つまり、米国の牽制・警告は、北朝鮮向けではなく、中国、韓国、日本に向けられたものと見られています。

ロシアが米国の北朝鮮対応に反対しているのは、ロシアと北朝鮮の関係からくるものというより、米露があまり親しい関係と見られないように、あえて米露対立を演出しているように見えます。

トランプの「敵」は中国

しかし、中国の反応は、ロシアと事情が異なります。米国は明らかに中国に圧力をかけています。

北朝鮮の管理を中国に委ねた「密約」「裏取引」自体、米中間では不平等なもので、中国は初めから不利な立場にありました。習近平国家主席はこの春に急遽フロリダに飛びましたが、その裏ではトランプ政権が中国国有銀行をドル決済システムから外す動きがあり、それをされたら中国の4大銀行はドルがとれなくなり、破たんするリスクがありました。

それを何としても回避するために、習主席は何を差し置いても訪米せざるを得なかったわけで、初めからトランプ大統領の土俵で戦う羽目にありました。しかも、夕食中にシリアへの空爆を知らされ、北への軍事介入を避けるために、中国は「密約」を飲まざるを得なかったはずです。

「密約」といっても、明らかに不平等で、中国は「裏で米国が操る」北朝鮮の核ミサイル開発を抑止させられ、その見返りに、秋の中国共産党大会が無事に終わるまで、米国は人民元や株価を混乱させない、という条件を得ました。その関連で、それまでは米中間の貿易不均衡にも目をつぶり、高率関税も封印するものでした。

そして案の定、中国は北朝鮮を抑止できず、密約後も北朝鮮はミサイルの発射を繰り返し、しまいには米国が「レッドライン」としたICBMの発射までしでかしました。トランプ大統領は中国の評価を、当初の「よく頑張っている」から「頑張っているが結果が出ていない」へと失望方向に変えてきています。これも予定通りだと思います。

Next: アメリカ、中国、韓国、日本。最後に笑うのはどの国か?

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