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誰が日本のパチンコを殺すのか?出玉規制とカジノ解禁のカラクリを読む=栫井駿介

パチンコ産業の復活こそ最大の金脈

パチンコ関連企業として最も効果的なのは、人々のパチンコ離れを食い止めることでしょう。

法律的にグレーな土台の上に立っているとはいえ、その市場規模はいまだにとてつもない大きさを誇ります。新たにカジノを作るよりも、減少を食い止めるだけで金脈を掘り当てるほどの価値があります

福岡などでは、韓国からわざわざパチンコを打ちにやってくる人もいるそうです。これは、それだけ訪日客にとってパチンコが価値のあるものだという証左です。依存症になってしまってはいけませんが、人は本能的にギャンブルを求めるものです。

カジノはいわば「富裕層のためのギャンブル」です。その収益の大部分は、超富裕層によってもたらされます。今、カジノ企業に恩恵をもたらしているのは、世界中を訪れる中国人の超富裕層です。

それに対し、パチンコは「庶民のためのギャンブル」です。これからやってくる訪日外国人の多くを占めるのは、中国人の中間層です。彼らが日本に来てパチンコを打つようになれば、衰退しかけた市場をもう一度盛り上げることもできるはずです。そのためには、より入りやすい雰囲気を作り出し、中国語にも対応できるようにすることが急務でしょう。

客観的に考えると、パチンコ関連企業にとってカジノはそれほど美味しいビジネスではありません。むしろ、巨大なパチンコ産業の復活こそ、誰もが欲しがる金脈です。そのことに気付かない限り、パチンコ関連銘柄が長期的に上昇する可能性は低いでしょう。


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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2017年7月20日)

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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