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内閣府データが示す、10~15兆円規模の大型補正予算の必要性=内閣官房参与 藤井聡

消費増税による見かけの効果を除去すれば、さらに強い関係が見えてくる

なお、1点補足すべきは、「消費税率の増加」は、GDPギャップとは別に、物価そのものを上げる効果を持つというもの。そもそも消費増税は、モノの値段を一律2%や3%上げるのですから、当然、景気がよかろうが悪かろうが、強制的にCPI(物価)を上げる効果を持っているのです。

したがって、97年や2014年にCPI(物価)の変化率が大きくプラスになっていますが、これは消費増税による見かけ上の効果だということになります。

ですので、その点を加味すると、GDPギャップと物価(CPI)変化率との間の連動性は、より一層強いものであることがわかります(特に、2014年の増税時、物価の変化率が急激に一時的に大きくなっていますが、この「山」がないと考えれば、黄色線と青線はよりはっきりと連動していることがわかります)。

なお、両者の相関係数(完全連動の場合1、完全不連動の場合0の尺度)は、0.72という、非常に高い水準にありますから、両者の関係はやはり統計的に言って明白だと言えます(なお、消費増税の効果を除去すれば、さらに高い水準となります)。

政府のGDPギャップをゼロにしても、デフレは終わらない

ところで、「理論的」に言うなら、GDPギャップ(デフレギャップ)をゼロにすれば、デフレは終わるはず、ということになります。

しかし、このグラフを見れば一目瞭然ですが、GDPギャップが「プラス」の時(例えば、2006年、2007年ごろや2014年)でも、物価の変化率は「ゼロ」ないしは「マイナス」であったりします。

これは理論的にはオカシナことなのですが…、それは、このGDPギャップの測定の仕方に、問題があるからだ――ということは、例えば青木泰樹先生が本紙にて繰り返し主張しておられる通りです。
https://38news.jp/archives/03897
https://38news.jp/economy/10751

詳細は上記記事に委ねますが、今、政府が公表しているGDPギャップは、「本当に日本経済が持っている供給能力」を基準に測定されているのでなく、「実際の能力よりも低い能力」を基準にして測定されていることが原因です。

――しかし、そうした、理論的には特殊(あるいはオカシ?)な「GDPギャップ」指標ではあるのですが、それでもなお、上記グラフのように物価の変動を予測する、あるいは決定づける力を持っているのは、事実です(ただし、この特殊な性質により、GDPギャップは年々「右肩上がりに大きく」なる傾向があるのですが…)。

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