直前のレートによってはチャンスもありそう
冒頭でお話ししたように、今の相場の根本にあるのはトランプへの期待感ですから、本質的に雇用統計の結果でどうこうという状況ではありません。ただし、弱めの数字には警戒すべきと考えていますので、下値を重く見て想定レートは1ドル=114.50~116.50円としておきます。
具体的な戦略について考えていくと、今回は予想を上回る良好な結果が出たとしても、すでにトランプによって今年の景気が上向くことは織り込んでいますから、どんなに上昇しても、上値のポイントである118.60円の抵抗を一気にブレイクしていく理由にはなりづらいでしょう。
しかも、ここまで117円から118円にかけての水準では売りが強く反落を繰り返していて、仮に強めの結果が出たとしても上値攻略は難しそうですから、発表直前のレートが116.50円に近い、あるいは超えているようであれば、ショート(売り)から入るのが有効となりそうです。
それから、直前のレートが115円台であった場合にどうかというと、ここでは心理的節目でもあり強い抵抗帯となっている115.00円近辺を明確に割り込んで、さらに下の110.00円ラインを目指すかどうかが鍵となります。
しかし、押し目買い意欲は相変わらず強く、ネガティブサプライズ級のショック、つまり雇用者数、賃金上昇率もマイナスといった数字でもなければ、瞬間的に割り込む場面はあっても底抜けは難しそうなので、直前のレートが115円台であればショートから入るのは控えるべきでしょう。
また、ロング(買い)からのエントリー、この雇用統計に限っていえば、ほとんどチャンスはなさそうです。強い結果が出ても上値余地は限られていますし、弱い結果が出た際の底抜けリスクを考えると、短期的には自信を持って入れる状況ではありませんからね。
今年の戦略のベースになるのは円売り・ドル買いとなりますが、こと今回の雇用統計に関しては、あまり強気にはなれませんし、予想並みの結果であればさほど動かなそうなので、直前のレートを見てチャンスであればショートからと考えています。
というわけで、今回の雇用統計はあまり旨味がなさそうなので、無理してまで参加する必要はないと思いますが、発表前のレートを見て判断して頂ければと思います。
本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2017年1月6日)
※太字はMONEY VOICE編集部による
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