政府が何をしようと止められないのがドラッグ
私たちは、覚醒剤やヘロインがテレビコマーシャルで宣伝されているのを見たことがないはずだ。
コマーシャルどころか、各国政府は躍起になって蔓延しないように法的規制を厳しくし、このドラッグを取り扱った人間には終身刑や死刑で臨んでいる。
フィリピンのドゥテルテ大統領などはさらに過激で、ドラッグの売人を問答無用で血祭りに上げている。
ところが、これだけやっても、覚醒剤もヘロインもアンダーグラウンドでは今も売れ続けて、世界中で蔓延が止まらない。何をどうしても流通してしまう。
ドラッグというのは、それだけ強烈な依存があって、政府が何をしようと止められないのである。人間の依存というのは、それだけ抗いがたいものということだ。
爆発的に増加する世界人口、タバコ企業の成長は揺るがない
社会に凄まじく嫌われるタバコ企業が、莫大な利益を上げ続けられる理由もここにある。
タバコを吸う多くの人たちは、なかなかそれを止めることができず、どんなに価格が上げられてもタバコを買い続ける。止められない。
タバコは合法ドラッグである。合法的なドラッグ企業がブランドを掌握し、合法に利益を生み出す。
政府に規制された業界なので競争相手もおらず、IT企業のように毎年のバージョンアップもいらない。味を変えたら激怒されるのだから、同じものをずっと作っていればいい。
やることがないから、株価を維持するために自社株買いを行い、株主に見捨てられないように高配当で株主を縛りつける。
最近はさすがに吸い方を進化させようと、電子タバコの普及を模索している。これが成功すれば先進国のタバコの吸い方が変わって、新たな需要を喚起させる。
仮に失敗しても問題ない。人口が爆発的に増えていく途上国でタバコを売ることでしのげる。
人口は今後、アフリカ等の発展途上国で爆発的に増えていく。現在の世界人口は約74億人だが、今後は約30年で100億人に達する見込みだ。タバコ企業はもちろん、これらの人口に自社製品を売りつけていくことになる。