北朝鮮のミサイル発射は、国内の株価はあまり影響を受けていないと思いますが、為替はモロに影響を受けています。今回の場合は、円高の方が進行をしている(ドル安よりも)という状態で、危険な兆候とも言えます。(『角野實のファンダメンタルズのススメ』)
※本記事は有料メルマガ『角野實のファンダメンタルズのススメ』2021年9月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:角野實(かどの みのる)
大学卒業後、金融機関に10年ほど勤務。独立して投資家の道へ。現在は企業経営者として活動、FX関連の執筆を多数行っている。
北朝鮮ミサイル発射に込められたメッセージ
また、北朝鮮が暴れています。これは、毎度、毎度のことで、おなじみのことだと私は考えています。アメリカの政権交代時に暴れたのと一緒のこと。
ところが、ほとんどの解説者は北朝鮮の国内情勢などをもとにさまざまな憶測を発信していますが、それは違うよね、とは思います。
現実的に日本の政権交代が確定したときから、ロシアが上空侵犯を繰り返していますし、おそらく中国の方もなんらかの行動を起こしているだろうとは思います。
アメリカは安保理違反として抗議をしています。そのうえで北朝鮮との対話での解決を希望しているとのことです。
正直な感想は、北朝鮮はバイデン政権をまったく信用をしていないからミサイルを飛ばすのであり、トランプ政権であったら飛ばしただろうか、ということです。
対話、対話といいながらも政権発足当初は放置をしてミサイルを発射され、今回も。なぜ、こんなにもきれいごとで解決をしようとするのか、意味がわかりません。
そして、バイデン政権がなぜ北朝鮮から信用されないのか、それは偉そうに見えるから、の一言で片付くとは思います。
そもそもバイデン政権の連中は、トランプ時代には発射されないのに、バイデンになれば発射されるという事実をどうみているのか、ということです。単に信用されていないからでしょ、と思います。
日本も政権交代になると、かねてから発射実験をしたかったミサイルを打たれるという事実をもっと考えるべきです。韓国に中国の外相が訪問したなどは口実に過ぎず、「そもそも韓国・日本・アメリカを信用していませんよ」というメッセージということを考えるべきです。
影響は為替市場へ
国内では株価はあまり影響を受けていないと思いますが、為替はモロに影響を受けています。

米ドル/円 15分足(SBI証券提供)
きのうはドル安傾向気味ですので、ドル円は円高になるのが最近の傾向です。つまり円が円高になるのはドル安が1%進行すれば、円は0.8程度の円高で、ドル円は少し円安気味になっていることです。
今回の場合は、円高の方が進行をしている(ドル安よりも)という状態です。日経が急騰してから、記憶では初めての現象になると思います。
その材料は北朝鮮と見ていいでしょう。
円が上昇するということは東南アジア、東アジアなどの不安定であり、何か危機が起こった場合には一斉に日本円が買われることは当メルマガで以前にご説明した通りです。
ほかの危機といえば、中国の恒大集団が20日には確実にデフォルトを起こすということです。デフォルトというと、突然というイメージですが、今回の場合、中国政府が20日に利払いをしない、と表明をしています。通常に考えて、欧米などの西側世界では1度でも利払いをしなければデフォルトと認定されるのですけど、中国ではそういう認識は事前にいえば、ならないのだろう、と思います。だから認識が甘いのであろう、と思います。
ともかくワクチンを受けて、世界は経済活動再開に向けて動いていますが、日本が余計な政権交代などを起こし、面倒くさいことが起こっているという状態です。
アメリカはエンパイア指数が想像以上によかったですが、きのうも記したように最近はエンパイア指数がなんだか独立したような動きになっており、あまり信用性がないのが現状です。
この信用性というのはISM指数の連動という意味です。通常、ISM製造業指数はNYやフィリーの連銀指数が前哨戦になると言われていますが、ここ最近のエンパイアはISMと乖離をした動きになっており、参考にはできない、という感じです。むしろ、フィリーの指数に注目をした方がよいと思います。
鉱工業生産はなんともいえない結果であり、なんとも言えません。
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