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「レバ上限10倍」という改悪。2018年、投資家はFX取引から撤退する=長谷川雅一

「抜け道」が用意される?

現在、FX取引の最高レバレッジは25倍とされていますが、これは正確な情報とは言えません。なぜなら、FXの「法人取引」なら「レバレッジ100倍」程度まで認められているからです。

また、海外のFX口座を利用すれば「レバレッジ400倍」といった取引も可能です。ただし、海外のFX口座を利用した場合、「出金できない」といったトラブルが多いのも事実です。

今後、金融庁が「レバレッジ10倍」を実施しても、どこかに何らかの「抜け道」が用意される可能性も高く、その意味でも、規制が狙い通りの効果を発揮するかどうかは、わかりません。

また、投資家が「ハイレバレッジ」を求めて、よりリスキーな行動を取る恐れもあると思われます。

投資家の投資意欲が低下する

レバレッジが25倍から10倍に下がれば、FXトレードの魅力である「スワップ金利」の「利率」も、2.5分の1に下がります。これは、投資家の投資意欲を大きく減退させます。

たとえば、現在、約4万円で米ドル/円を10,000通貨買った場合、国内のある証券会社では、1日に約50円のスワップ金利が付きます。年間(365日)では18,250円。年利46.25%相当となります。

しかし、レバレッジ10倍となれば、10万円に対して18,250円の年利ですから、利率は18.25%に下がってしまいます。

もともとFX取引には大きなリスクがあります。この程度の利率になってしまえば、リスクを取ってまで、スワップ金利を狙う意欲がなくなります

もしも「レバレッジ10倍」となれば、「店じまい」して、FX取引をやめるトレーダーが続出するでしょう。

投資家はバカじゃない

金融庁は「投資家保護」のために、いろいろなルールを策定するお仕事をされているわけですが、「投資家保護」をお考えなら、「FXはハイレバレッジで危険だから、投資金額を抑えなさい」と、繰り返し忠告していただければ、それで十分だと思います。

金融庁の「投資家保護」は、時に「行きすぎる」ことがあるように思います。つまり、「投資をやめなさい」と言われているように感じることがあるわけです。

投資家はバカじゃありません。「FXはハイレバレッジだから危ない」ということは十分承知の上で、リスクを調整しながらトレードしています。

また、個人投資家の為替取引は、為替市場の流動性の向上に大きく寄与しているはずです。

Next: 目的は「投資家保護」か「締め出し」か。10倍に下がったらやめるでしょ…

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