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不正蔓延で株価急落、堕落した神戸製鋼に「明るい未来」はあるのか?=栫井駿介

多角化・高付加価値化の最有力事業での不正

神戸製鋼の主な事業は製鉄です。新日鐵住金やJFEと直接競合する分野ですが、売上高規模はこれらの企業の5分の1~8分の1と大きく劣ります。

製鉄事業が厳しい環境に置かれる中で、神戸製鋼は合従連衡に加わらず独立を維持しています。この規模で、メガ製鉄会社と同じ土俵では戦えません。そのため、成長戦略のため多角化を進めました

現在では、売上高に占める鉄鋼事業の割合は35%にとどまり、アルミ・銅事業や建機、電力事業など鉄鋼以外の事業に力を入れています。

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鉄鋼に次いで大きな割合を占めるのが、今回問題となったアルミ・銅事業です。昨年度は鉄鋼事業で290億円の損失を計上している一方、アルミ・銅事業では120億円の利益を出しています。利益面では電気事業の130億円に次いで高い貢献度です。

規模を追わずに多角化・高付加価値化で業績に貢献してきたという点では、戦略としては正しい方向性を示していました。一方で、多角化事業で必ず利益を出さなければいけないという焦りが、今回の不祥事の遠因になってしまった可能性は否めません。

高付加価値商品に対してデータを改善してしまうことは、最もやってはいけないことです。信頼を失った会社の商品を高い価格で売ることは難しく、短期的な回復は容易ではありません

アルミ・銅事業が難しいとすれば、他に同社を支える事業があるでしょうか。3番目に売上高の大きい建機事業は、昨年度一時的に赤字となったものの、それまでは200億円前後の利益を生んでいました。しかし、同事業も業界ではコマツやキャタピラーに遠く及ばず、安心はできません。残る安定事業は電力事業くらいでしょう。

Next: 明るい材料は見当たらず。神戸製鋼所に投資はできない

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