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仮想通貨バブルへの嫉妬と憧憬。ビットコインを世界はこう見ている=江守哲

FRBほか当局者は、ビットコインをどう見ている?

一方、仮想通貨「ビットコイン」は1万ドルを突破し、急騰を続けています。

これに対してダドリー総裁は、「ビットコインには懐疑的だ。価値を安定的に保証していない。非常に投機的だ」として、決済手段として幅広く使うことには否定的な見方を示しています。

これもまた重要な発言といえそうです。

またFRBのクオールズ副議長は、政府や中央銀行の裏付けのない「ビットコイン」など新しい技術に基づく仮想通貨について、「決済上のリスクが伴い金融安定性が損なわれる恐れがある」としています。また、「中銀の仮想通貨採用には慎重な対応が必要」としています。

クオールズ副議長は、「金融安定性を確保するには、信頼性の高い決済システムが重要」とし、「決済分野での新技術については、革新性で得られるメリットと、システムの安全性と信頼性を見極める必要がある」としています。

また、法的な課題のほか、マネーロンダリングサイバーセキュリティテロ資金への活用といったリスクを指摘しています。

国際通貨基金(IMF)ライス報道官の見解

国際通貨基金(IMF)のライス報道官は、「ビットコインのような仮想通貨の金融取引拡大について、各国は適切な監督が必要になり、国際的な議論、協調が有用になる」としています。

ライス氏は「仮想通貨やそれを支える技術は、金融の普及や支払いの利便性向上につながる」と指摘する一方、「仮想通貨がマネーロンダリングや脱税などに使われるリスクがある」とし、「バランスを取った評価が必要」としました。

フランス銀行(中央銀行)ビルロワドガロー総裁の見解

フランス銀行(中央銀行)のビルロワドガロー総裁は、「ビットコインは投機的資産」との認識を示し、「投資家は完全な自己責任で投資を行っている」との認識を示しました。

さらに、「ビットコインは決して通貨ではなく、仮想通貨でさえもないことをわれわれははっきりさせる必要がある」としています。

ここまではっきりと否定した中銀関係者は初めてかもしれません。

そのうえで「ビットコインは投機的資産だ。その価値と極端なボラティリティーに経済的な根拠はなく、だれかが責任を負うものでもない。フランス銀行は、ビットコインの投資家に対し、完全な自己責任で投資しているという自覚を求める」としています。

それは当然のことですね。私も同感です。何も裏付けがないので、正当化価値がわかりません。その意味では、値段の変化についてだけ言えば、ギャンブルの類と変わらないと言わざるを得ません。

依然として乱高下するビットコイン。高値から平気で30%も下げるような市場は、資産市場とは呼べません

Next: 規制強化との綱引き。ビットコイン先物上場の影響は?

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