昨年の9月~10月にかけて、大きな社会不安になったことにデング熱がありました。幸いにも今年の夏は今のところ感染者が出たという報道はありませんが、株式投資という観点で見ると、もし仮にこういった報道が出ることで注目を集める銘柄というのは自ずと決まっています。「ハロー!株式」では昨年、デング熱騒動で物色された銘柄を再確認していますのでぜひチェックしてみてください。
備えあれば憂いなし。デング熱騒動で注目された銘柄をおさらい
「辛抱銭」(しんぼうぜに)とも申し上げていますが、やはり世の中楽して儲ける、こんな上手い話はなく、株式投資におきましても然り。辛抱なくして儲けもなしであり、我慢と辛抱はやはり必要です。逆に申し上げますと、「儲けは我慢と辛抱の対価」であります。
今後も楽しみな展開が想定されますが、ここで思い出しますのは、昨年の今頃に国内で「デング熱」への感染者が約70年ぶりに発見され、大きな社会不安となったという点です。
デング熱に有効なワクチンはなく、また特別な治療法も確立していないため、まずは「蚊に刺されない」ことが最重要となりますが、株式投資という観点からは防虫・殺虫薬メーカーが要注目となってきます。
例えば、殺虫剤の首位は「アース製薬」<4985>。「フマキラー」<4998>は殺虫剤3位であり、昨年はデング熱の感染が広がったことで虫よけ効果のある主力商品「スキンベープミスト」の販売本数が前年比で5割増加し、いずれも株価大幅高となった経緯があります。
「帝人」<3401>は蚊などが止まると触角や足先に虫が嫌がる成分が伝わって刺さずに逃げるという効果を備えた生地を「アース製薬」と共同開発しています。他にも、殺虫剤も手掛ける「SDSバイオテック」<4952>、自治医科大学と共同で蚊を寄せ付けないようにする薬剤の特許を取得した「大幸薬品」<4574>。
蚊が寄りにくいパジャマの開発を始めた「グンゼ」<3002>、デング熱の原因となるウイルスの増殖を抑える抗体の開発に成功したと発表した「医学生物学研究所」<4557>など関連銘柄として上昇した経緯があります。
今年もデング熱への警戒は怠れず、仮に感染者が出たりしますとそうした銘柄に物色の矛先が向かうことが想定されます。
『ハロー!株式』(2015年8月8日号)より一部抜粋
※太字はマネーボイス編集部による