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2021年のテーマ「ドル安」に変化の兆し? 12月米雇用統計が分岐点に=ゆきママ

今年はドル安が大きなテーマとなりそうでしたが、年始から変化の兆しが感じられるようになってきました。タイミング的に、今日の雇用統計は非常に重要な意味を持ちそうですから、その辺を踏まえつつ、相場展望、トレード戦略について解説していきます。(FXトレーダー/ブロガー・ゆきママ)

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単純な金利高というよりFRBの引き締めを意識したドル高か

目先は株高の円売りに加え、米長期金利(10年債利回り)が上昇、1%の大台にしっかり乗せています。この金利高によるドル高という流れもあって、ドル円は反発しています。

振り返ると、先日5日に行われたジョージア州の上院議員・決選投票で民主党が2議席共に勝利したため、上院は民主党と共和党が50対50で議席を分け合うイーブンの形となりました。ただし、イーブンになった場合は上院議長である副大統領が投票して決定することになるため、大統領選を勝利した民主党が実質的に上院を制する形となりました。

民主党は大統領選と下院を制していましたから、これに上院も加わり、いわゆるトリプルブルーとなって、バイデン次期政権の政策が実現しやすいといった見方に傾いています。

そして、バイデン政策というのは、ご存知のように多額の現金給付を含むばら撒き方の財政政策であり、クリーン・エネルギー関連のインフラ投資にも非常に積極的と言われています。

これらの政策を実現するためには、今の税収では全く追いつかないので財源は国債ということになります。今ですら、異常というか記録的な量を発行しているわけですが、さらに国債を発行するなら、明らかに供給過剰で債券価格が下落、金利が上昇という格好になっています。

これに加えて、6日に発表された12月15~16日分のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録において、メンバーは全会一致で現行の緩和政策を支持し、インフレ目標と雇用が達成されるまでは緩和政策を継続するとしていたものの、米長期金利の上昇を抑えるための、買い入れ債券の拡大、年限長期化に賛成するメンバーが少数だったこと。

さらに、7日にハーカー・フィラデルフィア連銀総裁が、「今年終盤に資産買い入れの段階的縮小の可能性がある」と、テーパリング(金融引き締め)を意識させていることも長期金利の上昇に拍車をかけています。

  • バイデン政権による財政政策路線、財政赤字の拡大、国債発行額の増額を意識
  • FRB(米連邦準備制度理事会)は、さらなる緩和には消極的
  • FRBの一部メンバーからは早期の緩和縮小を指摘する声が出ている

まとめると、このようになります。バイデン政権による赤字財政の拡大というのは、いわゆる悪い金利の上昇なので、これが即座にドル高というイメージはありません。

一方で、FRBが追加緩和には消極的、さらに一部メンバーから緩和縮小というテーパ感が出てきたのことは、金利の上昇かつドル高の大きな要因となっていると考えています。

したがって、今回の雇用統計の数字が強ければ、経済回復期待による早期の緩和縮小観測によるドル高。さらに、バイデン政策による給付型の景気刺激策も回復にプラスという見方になるかもしれません。

そうなれば、ダブルでドル買い戻しにつながる可能性がありますから、今回発表される数字には注目しておきたいところでしょう。

Next: 雇用市場は引き続き弱く、サプライズの悪化も

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