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ECBドラギ総裁会見を控え「NY時間序盤のユーロを中心とした波乱に備えたい」=元為替ディーラー・鈴木隆一

今晩のECB(欧州中央銀行)理事会で金融政策は現状維持の見込み。ただし、今後の追加緩和へのスタンスを見極める上で21:30のドラギ総裁会見に注目が集まっており、発言内容によっては波乱含みの展開もありそうです。元為替チーフディーラーで株式会社ガンパウダー代表の鈴木隆一氏が解説します。

金融政策は現状維持の公算も、ドラギ総裁会見が波乱要因に

昨日(2日)の相場動向雑感

株安懸念が一旦後退。

前日(1日)のNY時間終盤にダウが500ドルを超える下落を見せた事で、株安の流れがさらに加速する事が懸念され、アジア時間に入った直後にドル円は再度下値を攻める動きを見せたものの突っ込みきれずに反発、その後日経平均が安寄りした直後に米株先物が急反発したこともあって日経平均が突如急騰、これに反応したドル円は120円台半ばまで一気に値を戻す動きとなった。

その後は日経平均の乱高下に振り回されて各通貨とも不安定な上下を繰り返すと、欧州序盤には欧州通貨内での需給からユーロとスイスが上下する動きを見せたが、株価の上昇もあって大きな動きには至らず、その後は米のADPを控えて徐々に模様眺め気分を強めた。

注目のADP雇用統計は予想よりも弱い数字となったが、あまり市場にはネガティブなインパクトを与えず、その後原油価格が上昇する動きに連れて米株が上昇し、債券利回りも上昇する動きとなったために市場ではジリジリとドル買いの動きが進行してドル円は再び堅調な動きを見せることとなった。

その後、在庫統計の結果を受けて原油価格が急落すると、株価も伸び悩みとなってドル円は反落するも、終盤にかけては再びドル買いバイアスの強い展開となり、そのままこの日の取引を終えている。

WTI原油先物 15分足 3日14:30時点 (SBI証券提供)

WTI原油先物 15分足 3日14:30時点 (SBI証券提供)

ここ最近の相場の中では、値幅としては大きなものとならなかった事もあってやや方向感に欠けるイメージがあったが、株価の底堅さを確認してドル円の上昇が継続した点を見ると、ネガティブな事象への耐性が出来て徐々に良い話を期待する心理に傾き始めていると感じた。

元為替ディーラーの視点

本日(3日)は、昨日の動向を評価する格好でドル円の上昇が先行、仲値以降も底堅い動きを見せたが、日経平均の伸び悩みと共に徐々に頭を重たくしている。

米ドル/円 15分足 3日14:30時点 (SBI証券提供)

米ドル/円 15分足 3日14:30時点 (SBI証券提供)

日経平均先物  15分足 3日14:30時点 (SBI証券提供)

日経平均先物 15分足 3日14:30時点 (SBI証券提供)

中国が本日から休場となるために、市場は本邦株価動向を意識した展開を続ける事となろうが、本日は欧ECBを控えており市場は徐々にそれへの関心を強めて行く事となろう。

ECBでは現状維持となる事が見込まれており、市場は昨今の状況を踏まえたスタンスを判断すべくドラギ・ECB総裁の会見に注目しているため、NY時間序盤にユーロを中心とした波乱になる事も考えられる

ユーロ/米ドル 15分足 3日14:30時点 (SBI証券提供)

ユーロ/米ドル 15分足 3日14:30時点 (SBI証券提供)

「中国」という軸を中心に株価を意識した展開が続いていたが、その中国が休場となり株価も安定しつつある状態となっている上、欧のイベント更には明日の米イベントを控えて、一時的でも金融政策格差を意識した展開になる可能性が高まっていると考えている。

豪の小売りが予想外のマイナス数字となり、オージーが急落する動きを見せているが、この動きから個別の材料に飛びつく展開をECBまでは繰り返す事も考えられる点に注目。

個別通貨の注目テクニカルポイント

◆ドル円
上は120.75付近(一目基準線・PIVOT:R1)
下は119.85付近(一目転換線)

◆ユーロドル
上は1.1260付近(13日SMA)
下は1.1190付近(PIVOT:S1)

◆ユーロ円
上は135.65付近(PIVOT:R1)
下は134.60付近(PIVOT:S1)

◆ポンドドル
上は1.5330付近(PIVOT:R1)
下は1.5270付近(PIVOT:S1)

◆ポンド円
上は184.70付近(PIVOT:R1)
下は183.00付近(PIVOT:S1)

ガンパウダー・鈴木の読めば納得!?FX・マーケット』(2015年9月3日号)より一部抜粋
※太字とチャート画像はMONEY VOICE編集部による

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