ドル円急落→「よっしゃ買いや!」→「スプレッド広っ」なぜなのか=FX兄上のトレード解説!

24日夜のドル円急落では、FX会社が個人投資家に提示する為替レートのスプレッド(買い気配値と売り気配値の差)が極端に広がりました。各FX業者がスプレッドの狭さを競っているはずなのに、パニック時にかぎってスプレッドが拡大するのはどうして?元為替チーフディーラーで株式会社ガンパウダー代表の鈴木隆一氏が解説します!

FX取引の「スプレッド」がパニック時に広がる理由って?

まずはドル円が一気に6円も急落した24日の相場を復習!

パニック商状に。

昨日(24日)は、週末に中国から何かしらのアクションがあるとの期待が裏切られた格好で、オセアニア時間早朝からリスクオフの動きが先行、アジア時間に向けて一旦その動きは収まったものの、日経平均に続いて中国株が下落したことで再びリスクオフの動きが加速、ドル円は122円台から121円割れの動きを見せるも昼には再び調整的な動きとなった。

しかし午後からも株の下落が止まず、日経平均は引けで900円近い下げとなり、上海株も8%超の下落を演じたために欧州序盤から更にリスクオフの動きが広がり、極めつけはNY時間にNYダウが1000ドルを超える下落を見せたこともあってドル円は一気に116円台前半までの暴落を演じることとなった。

NYダウ 15分足(SBI証券提供)

NYダウ 15分足(SBI証券提供)

米ドル/円 15分足(SBI証券提供)

米ドル/円 15分足(SBI証券提供)

その後、NYダウが大きく値を戻す展開を見せると、為替市場でもリスクオフの巻き返しの動きが進みドル円は119円台半ばまでリバウンドする動きとなったが、NYダウが引けにかけて再び下落する動きになったことから、再度リスクオフの動きを見せながらこの日の取引を終えている。

まったくもって「パニック商状」の一言。

特に、NY時間序盤の動きは完全にインターバンクも腰の引けた状況となり、ドル円はビッドが、ユーロドルはオファーが引っ込んでしまった状態になった模様で、そんな中で価格だけが大きく飛ぶ展開となってしまったのは、こういう時によくあること(※1)

アジア通貨危機、LTCM破綻、リーマンショック等々、パニックが起きた時の典型。

業者によっては、スプレッドが極端に開いていたが、それこそがインターバンクの腰の引け具合を示すものであった。

FX兄上のトレード解説!「わかるっしょ?この感覚。だからスプが開くのさ」

ども。久しぶりにすごい動きになりましたなぁ~

ドル円で6円幅っ!

しかも、118.50切れたらあっという間に116円前半までっ!

ま、こういうパニックの時にはよくあるんだけどね。

この時、業者によってはものすごくスプレッド開いたでしょ?

あれが普通。

だってさ、あの落ちる時にディーラーは客から無理矢理ロング持たされるんだぜぇ~

顧客の売りはディーラーの買いポジになるから。(※2)

そりゃ、思いっきり腰の引けた価格でしか買いたくないわなwww

わかるっしょ?この感覚。

だから、スプが開くのさ。

スプを固定してる所もあるけどね。

損丸のみ。

客としては、スプ固定はありがたいけどね。

市場の公平性というか透明性を考えると、こういう時にスプが拡がる方が正しいって思っちゃうよね。ディーラー出身者としては。

あと、昨日は朝方に南アランド円でひと悶着あったみたいね。

オセアニア時間に急落したけど、銀行やブローカーから値段が消えたんだってね。

だから、昨日のランド円の早朝安値は各業者まちまち。

南アフリカランド/円 15分足(SBI証券提供)

南アフリカランド/円 15分足(SBI証券提供)

実は、これも為替の特徴。

スーパーのきゅうりとかと一緒よ。

「Aスーパーのきゅうり」と「Bスーパーのきゅうり」の値段が違うって、大騒ぎする?

しないっしょ?

それと一緒なの、為替って。

相対取引の基礎。(※3)

ま、でもこういうのって、良い方で起こることが少なくてさ。

たいがいが「損切り」とかで発生するから頭でわかっても心が理解しないってなるんよね。

わかるわかる。

ま、でも為替はそういうものって考えないとね。

まだまだ、市場は荒れると思うから、気をつけてや。

んじゃなっ!

※1 インターバンク市場
世界中の銀行・金融機関等の外為取引ネットワーク。取引所の存在しない相対取引のため、同時刻にインターバンクレートは複数存在するが、相場急変時にはまともに値が立たないこともある
※2 顧客の売りはディーラーの買いポジになる
相対取引で個人投資家の注文を受けたFX会社は、自社側ポジションのリスクを相殺するために、インターバンク市場の提携カバー先金融機関から提示されたレートで反対取引(カバー取引)を行なう。もし適切にカバーできなければ損失につながる恐れがある
※3 相対取引
公開株式のように取引所を経由することなく、当事者同士が直接売買を行う取引。店頭FXはFX会社と個人投資家の相対取引となる

ガンパウダー・鈴木の読めば納得!?FX・マーケット』(2015年8月25日号)より一部抜粋
※太字とチャート画像はMONEY VOICE編集部による

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