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底打ちの「コツン」が聞こえない日経平均株価 / 記録づくしの8月相場回顧 – 山崎和邦 わが追憶の投機家たち

記録づくしの8月相場を振り返れば

1ヶ月の値幅としては7年ぶりの大幅下げ

8月は、1ヶ月の下げ幅としてはリーマンショックの08年10月▼2,689円に次ぐ、7年ぶりの大幅下げを記録した。

新値三段棒で月足陰転

月足で見て新値三段棒で陰転した。月足は7月引け値20,585円、6月20,232円、5月20,503円。8月引け値は18,890円、完全に陰転である。

アベノミクス相場始動以来初めての6日連続安

6日連続安はアベノミクス相場始動以来初めてのこと、うち5日で1,000円の大台を3回変えた。波高きは天底の兆しと言う。

米利上げは歓迎だったが……

利上げも可能と検討されるほどの強い米経済なら、それを宣言すべきだった。実施は後でもいいから、宣言はたとえ0.125%でもいいから、利上げを明確にすべきだった。お化けは一度出てしまえば誰も怯えなくなる。

VIX指数が40%以上

VIX指数が40%以上になったケースは97年以降2011年まで7回、これまでそのような状況ではNY株価は13%~57%下がった。

万年強気の野村証券が、今年高値を24,000円から21,500円に訂正した笑える話

筆者が野村証券で現職の頃、株価が下がるたびに売り指値を下げていって結局は何も売れずに、結果は塩漬け株を抱いて暗い季節を迎える優柔不断な顧客が何人かいた。

森羅万象を織り込んで算出すべき株価予測を、海外で何か起きる都度引き下げてゆく野村證券の株価予測は、それを思い出させる。

だいたい、アベノミクス相場の始動から2.4倍にまで上がった株価を、あと少しは上がると言っても全く意味はない。すでに12,000円も上がったものが、高値からあと600円上がったとて、それにどれほどの意味があろう――


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山崎和邦(やまざきかずくに)

山崎和邦

1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院特任教授、同大学名誉教授。

大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴54年、前半は野村證券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。

趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12を30年堅持したが今は18)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。

著書に「投機学入門ー不滅の相場常勝哲学」(講談社文庫)、「投資詐欺」(同)、「株で4倍儲ける本」(中経出版)、近著3刷重版「常識力で勝つ 超正統派株式投資法」(角川学芸出版)等。

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