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なぜ株価は大暴落したのか?やっと反省された「3つの勘違い」大底は近い=馬渕治好

日米株価やドル円の大幅調整を予測し、みごと的中させたメルマガ『馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』。発行者で米CFA協会認定証券アナリストの馬渕治好さんは、最新の号外で、今回の大暴落は市場参加者や専門家による「3つの誤り」が起こしたものと指摘。その誤りの修正は、現時点でかなり進んだと見ています。

大暴落は、この「3つの誤り」が修正されることで発生した

世界市場が、引き続き大きな波乱をみせています。8/24(月)のニューヨークダウ工業株指数は、一時ザラ場で前日比1089.42ドル幅下落しました。これは、リーマン・ブラザーズ破たん(2008年9月15日)直後の777.68ドル安(2008年9月29日)を超える下落幅でした。

世界市場の今後ですが、特に内外経済の状況などに、著しい悪化が生じたわけではありません。ではなぜ世界の市場が波乱に見舞われたかというと、3つの誤りが正されたためだろうと考えています。また、誤りの修正は、現時点でかなり進んだとも見込んでいます。

その3つの誤りとは、下記の通りです。

(1)「中国経済は大丈夫だ」と勘違いしていた

中国経済の悪化は、いまさら始まったものではありません。中国の経済統計は信頼性が低いので、筆者は以前から、豪州から中国向けの輸出額で中国の景気の状況を推し量っています。豪州から中国向けの輸出は、豪州からの全輸出の3割強を占めているためです。

その中国向け輸出額は2013年12月がピークで、そこから長らく減少傾向にありました。そのため筆者は以前から、中国経済の悪化が進んでいる、と主張してきました。

しかし市場参加者や専門家は「中国では株価が上がっているから大丈夫だ、中国は独自の市場で欧米の投資尺度は通じない、中国株がバブルとか危ないとか言うやつは中国のことがわかっていない、株価が上がり続け、それが景気を支える」とし、さらには景気の減速色が強まったり株価が大きく下がり始めたりしても、「経済対策や株価対策が出るから大丈夫だ」と聞く耳を持ちませんでした。

上海総合指数 日足(SBI証券提供)8/25 12:00時点

上海総合指数 日足(SBI証券提供)8/25 12:00時点

それが、8/11(火)に始まった中国元切り下げで、「通貨に手を付けなければいけないほど、中国経済は悪いのか」と今さらうろたえ、現在は「中国景気の悪化で世界経済も不況に引きずり込まれるのではないか、国際商品市況が下落しているのがその証拠だ」と、恐れおののいています。

しかし、だいぶ前から、中国経済は淡々と悪くなっている(現時点で悪化が急加速しているわけでもない)、というのが正しい見方であり、中国経済は大丈夫だ、中国株も大丈夫だ、といった、一時の市場の誤った見解が、大きく修正されたと考えるべきでしょう。今は、市場の見解が、中国経済の実態悪に遅れて追いついてきた、と推察されます。

(2)「米国株も米ドルもどんどん上がる」と決めつけていた

世界経済を見回すと、実態面で最も安心できるのが米国経済です。それは正しいのですが、「世界中で投資先として買えるのは、米国株、米ドルしかない」という見解が行き過ぎ、米国株も米ドルも買われ過ぎになってしまいました。

米S&P500株価指数の予想PER(ファクトセット調べ)は、2006年以降は概ね12~18倍の間で推移し、平均が14.9倍(ほぼ15倍)です。しかし最近は、上限に近い17倍台後半での推移が続いていました。この高過ぎるPERが、中国元の切り下げを(単なる)きっかけとして、平均値に向けて回帰し始めた、と考えています。

S&P500指数 日足(SBI証券提供)8/25 12:00時点

S&P500指数 日足(SBI証券提供)8/25 12:00時点

また米ドルも、購買力平価(97.60円、7月時点の物価指数から算出)に比べ、2割以上米ドル高に乖離していました。過去に2割以上乖離した時点を探すと、1985年2月まで遡ります。この年は、あまりの米ドル高に米国が耐えられず、同年9月のプラザ合意で、国際協調により米ドルの押し下げが行われました。その時点と同じくらい、現在は米ドル高が行き過ぎていた、ということになります。

米ドル/円 日足(SBI証券提供)8/25 12:00時点

米ドル/円 日足(SBI証券提供)8/25 12:00時点

こうして、「米国経済が良いのだから、米株も米ドルも上がり続ける」といった市場の誤った見解(米株と米ドルの買われ過ぎ)が現在は正されてきた、と言えます。

なお、8/24(月)時点のS&P500指数の予想PERは16.0倍で、あと6.9%株価が下落すれば、平均値になります。すなわち、必要な株価の調整はあと少しになってきました(ただし、ぴったり平均値になる必要はなく、ひとつの大雑把なメドに過ぎません)。

米ドル円も足元の急落で、購買力平価との乖離率が21%と、2割を切れそうな動きです。米株や米ドルの誤りの修正は、かなりの部分進んだと言えます。

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