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ノーベル賞で注目された抗がん剤オブシーボは、本当に「夢の新薬」なのか?=In Deep

医療現場で悪影響が懸念される「ノーベル賞」という冠

私は先ほど、「悪意のある医療関係者」という書き方をしましたけれど、悪意という表現ではなくとも、健康保険などの適用しない診療をおこなっている「自由診療の医院」も今では多いですが、そういう医療の現場でこれから起こり得ることについてです。

これについては、先ほどのBuzzFeed Japanの記事には、以下のように記されています。

問題は、臨床試験で効果が証明された「免疫チェックポイント阻害剤」とは別に、効果不明な「免疫細胞療法」なども「免疫療法」という名前で一括りにされていることだ。

自由診療のクリニックが効果が証明されていない治療を高額な自己負担で行い、患者が標準治療を受ける機会を逸したり、副作用が出ても放置されて体調が悪化したりというトラブルが相次いでいる。

出典:ノーベル賞受賞で相談殺到 誤解してほしくない免疫療法 – BuzzFeed News(2018年10月3日配信)

記事内で、日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科の教授は以下のように述べています。

免疫チェックポイント阻害剤は効果が出るように使うのが難しいですし、副作用に対応するためにも製薬会社が施設要件や医師要件を定めています。こうした要件を満たさないクリニックでは適正な使い方もしませんし、副作用が起きた時の対応もできません。患者を食い物にしており非常に無責任です。

出典:同上

つまりは、今回のことで、この“患者を食い物にする”という部分に関して、「やりやすくなってしまったのではないか」という懸念があるのです。

何しろ、「ノーベル賞」という冠が使えるようになったのですから。

薬価は年間1,000万円、誰にでも手が届くものではない

そういえば、最初に書いておくべきだったかもしれないですけれど、このオプジーボは、今は多少薬価が下がりましたが、それでも「高い」のです。

自由診療は健康保険が効かないですので、「全額負担」となるわけですが、このオプジーボは、少し前だと全額負担で、「1年間で3,500万円かかった」のです。

3,500円ではありません。3,500万円です。

今年薬価が下がって、今は年間1,000万円となりましたけれど、これが全額自己負担だと、厳しい、と感じる方がほとんどなのではないでしょうか。

下のニュースは、今年8月にオプジーボの薬価が下がったことに関しての読売新聞の医療報道です。

厚生労働省は、高額ながん免疫治療薬オプジーボの薬価について、11月から4割引き下げることを決めた。厚労相の諮問機関である中央社会保険医療協議会に提案し、了承された。

値下げは3回目。保険適用された当初、患者1人あたり年間3,500万円とされた薬剤費は、今回の見直しで1,090万円と3分の1以下になる。

出典:オプジーボ、4割値下げへ…1人当たり年1000万円に – ヨミドクター(2018年8月23日配信)

昨年の4月までは、100ミリグラム73万円で、年間費用は3,500万円かかったのです。

このような価格だと、ちょっと「誰でも気軽に」というものではないものなのですけれど、それでも、これが「ガンがたちまち治る夢の新薬」だったのならば、それでもいいという人は、ある程度裕福な方ならいらっしゃると思われます。

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  • ノーベル賞後からの「アルマゲドンと化すガン治療現場」への懸念(10/5)

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image by: superjoseph / Shutterstock.com


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In Deep メルマガ』(2018年10月5日号)より一部抜粋
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