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出口戦略なし。バクチ同然の金融緩和政策に依存する日本のリスク=投資アドバイザー・長谷川雅一

10月6日~7日に行われた日銀金融政策決定会合で、期待されていた追加金融緩和はありませんでした。しかし、相場は大きく下げることなく推移。依然として追加金融緩和への期待はくすぶっているようです。そんな中、投資アドバイザー・長谷川雅一さんは、「もう、金融緩和は不要」と唱えます。金融緩和の弊害と将来のリスクとは?(『長谷川雅一のハッピーライフマガジン』)

プロフィール:長谷川雅一(はせがわまさかず)
1959年、岐阜県生まれ。株式会社プレコオンライン(金融商品取引業)代表取締役社長。2000年より株式投資の研究を始め、日本で初めて「株の自動売買」という言葉を使った著書を出版。株式投資の世界では、「株の自動売買」ブームの火付け役として知られている。現在は、自動売買ソフトの開発、投資教室、メルマガの執筆など、多忙な日々を送っている。

次の不景気への備えを無視。無責任国家ニッポンの「緩和依存症」

「副作用」を忘れていないか?期待される追加金融緩和

10月6日~7日の日銀金融政策決定会合で、「追加金融緩和」はありませんでした。しかし、株価も米ドル/円も、それほど下がらず。今、相場は「リスクオン」になっています。

どうやら、「まだ10月30日(金)の日銀金融政策決定会合があるさ。そこで追加金融緩和があるはずだ」という期待感で、買いが優勢になっているようです。

安倍総理が日本のリーダーとなり、日銀に指示をして、積極的な金融緩和を始めたのが2013年4月。それから2年あまりが経過しました。この間、日経平均は約12,000円から、約21,000円まで、約9,000円も値上がりしました。ほとんど2倍近くになった、ということです。

日経平均株価 週足(SBI証券提供)

日経平均株価 週足(SBI証券提供)

しかし、金融緩和が行われると、株の値動きが不自然になります。ゆっくりゆっくり上がって、ドカンと落ちる。しかも、落ちるタイミングがなかなか読みづらい。だから、株の売買が難しくなるという側面があるように感じます。

今また、「追加金融緩和」の可能性がささやかれているわけですが、そのために「カラ売り」がやりづらいという「弊害」もあります。株の値動きを不自然にし、「カラ売り」が封印されてしまう「金融緩和」。個人的には、「もう、金融緩和は要らない」と思っています。「早く正常な相場に戻してくれ」と。

次の不景気に備えるアメリカ、その場しのぎの日本

そもそも、この日本の金融緩和。「大丈夫なのか」と心配になりませんか?いわゆる「出口戦略」がないからです。

アメリカのFRBは、今、なんとか年内に利上げしようとしています。それはなぜか?「次に景気が悪くなったとき、金利を下げる『余地』を作っておくべきだ」と考えているからです。

つまり、アメリカの利上げは、「次のリセッション(不景気)への備え」です。さすがは、狡猾なアメリカ。やることが、しっかりしています。

それに引き替え、我が日本の「金融緩和」は、その場しのぎ。国民の年金まで相場にぶち込み、節操がありません。8月末の暴落では、年金基金が10兆円の損失を出したとも言われています。

ここまで大規模な金融緩和をやってしまったら、次のリセッションで打つ手がなくなるのではないか?と思いますが、そんなことは知ったことかと、派手な「バズーカ」を撃ちまくり、金融緩和という「バクチ」を続ける日本政府。

今の金融緩和を「正常」に戻そうとすれば、そのとたん「不景気」になり、その「不景気」には、もう打つ手がない、という混乱に陥る可能性があります。誰も責任を取らない「無責任国家ニッポン」だからこそ、こんなムチャな金融緩和ができるのでしょう。

アクセルとブレーキを同時に踏みながら進む日本

何度も金融緩和をしなければならないほど景気が悪いのに、消費税を上げた(また上げる)のも、おかしな話です。景気が悪ければ「減税」するのがセオリーです。消費税を上げた結果、景気は、ちっとも上向かない。「悪い物価上昇」で、庶民の生活はズタズタです。

アクセル(金融緩和)とブレーキ(増税)を同時に踏みながら、「株が上がった。景気はよくなった」と自慢する安倍総理。このあと、さらに消費税を10%に上げるわけですが、それをやったらどうなるか、目に見えています。さらに景気が悪くなり、庶民の生活が苦しくなるだけです。

株価はそろそろ「戻りいっぱい」か?

最後に株の見通しを書いておきます。日経平均株価は、いったん17,000円を切ったあと、大きく反発しましたが、「なぜ上がっているのか?」という問いに対する理由は、「日銀の追加金融緩和への期待感」ぐらいしか、見当たりません。

この「期待感」で10月末までは、18,000円台をキープするかもしれませんが、そろそろ「戻りいっぱい」では、と見ています。ここからの「買い」には注意が必要だと思います。

【関連】「日銀の追加緩和はあるのでしょうか?時期と規模は?」個人投資家Tさんの質問に回答! – 山崎和邦 わが追憶の投機家たち

長谷川雅一のハッピーライフマガジン』2015/10/12号より一部抜粋
※太字、小見出しはMONEY VOICE編集部による

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