相場の世界で勝ち組になるには、価格の変動要因やリスク・リターンの本質を掴まなければなりません。わたし矢口新が監修するこの講座で、あなたも「相場力UP」を目指しましょう。
今回の問題
以下の問いを読んでもっとも正解に近いと思う解答を選んで下さい。
個別銘柄に関する問題
週末に四半期決算の発表を控えた保有銘柄の株価が、月~水曜日に3連続陽線を引いて急上昇、木曜日のきょうも堅調に推移して前場の取引を終えました。長く続いた底値圏で買いを入れていたあなたは大きな含み益を得ています。ニュースでは「好決算先回りで注目、一段高の展開も」と報じられていますが、さて、後場からどう取引するべきでしょうか?
- 株価上昇の理由が好決算期待にあるのか、それ以外にあるのかは分からない。ともかく底値圏で仕込んだ銘柄に大きな含み益が乗ったのはトレードとして大成功。決算前後の株価は乱高下しがちで予想は難しいので、きょう明日中にいったん利益を確定する
- 好決算が発表された場合、来週以降の株価はさらに上値を追う可能性が高い。業績が振るわなければ売られるが、現時点で大きな含み益を得ていることから、トータルで損をする可能性は低い。この有利な状況を生かして積極的に買い増しを行い、より大きな利益を狙う
- 決算前に株価が上昇するのは良い傾向だが、連日上げ続けではさすがに過熱感が出る。とはいえ、ここで売ってしまうのはもったいない。そこで決算発表前後は現在のポジションをキープしつつ、もし安い場面があれば押し目買いを入れていく
矢口新(やぐち あらた)
1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。アストリー&ピアス(東京)、野村證券(東京・ニューヨーク)、ソロモン・ブラザーズ(東京)、スイス・ユニオン銀行(東京)、ノムラ・バンク・インターナショナル(ロンドン)にて為替・債券ディーラー、機関投資家セールスとして活躍。2002年5月株式会社ディーラーズ・ウェブ創業、2013年5月まで同社代表取締役社長。JTI(Japan Trading Intelligence)初代(2003~2007年)代表。
現役プロディーラー座右の書として支持され続けるベストセラー『実践・生き残りのディーリング』のほか、『出来高急増で天底(節目)のサインを探る!リスク限定のスイングトレード』『テクニカル指標の成績表』『相場力アップドリル』『トレードセンス養成ドリル』『なぜ株価は値上がるのか』など著書多数。