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馬渕治好の米国出張レポート~「利上げ、日本株、Xmas商戦」NY現地の声

米国経済を占う上で重要な「感謝祭」「クリスマス商戦」の成り立ち

感謝祭は、米国及びカナダ特有の祝日で、米国では11月の第4木曜日と定められています。このため今年は、11/26(木)が感謝祭となりました。

もともとの由来については諸説ありますが、米国にイギリスから来た最初の移民が、極めて厳しい冬を迎えた時に、その土地のネイティブアメリカン(いわゆる「インディアン」)に食物をもらい、助けてもらったため、翌年の秋にそのお礼としてネイティブアメリカンを食事に招き、共に収穫に感謝したと言われています(この説に対し、異論は多いです)。

この移民を助けたネイティブアメリカンは、ワンパノアグア族と言われており、その酋長がマサソイトとのことです。米国北東部のマサチューセッツ州の名前は、このマサソイトが由来であり、マサチューセッツ州の州旗には、マサソイトの肖像が描かれています。

この感謝祭は、米国人にとって非常に重要な祝日であり、多くの人が故郷に帰って、家族とともに過ごします。

筆者が米国に出張中の、11/20(金)夕、ニューヨークのグランドセントラル駅では、切符を買い求める人たちが列をなしていました。11/23(月)~11/25(水)も休みをとって、早々に丸々1週間の長期休暇に入ってしまう人が多いのでは、という感じがしました。

普段土日祝日でも開いているような商店も感謝祭は閉店するところが多く、そうした習慣を知らない日本人観光客が感謝祭に米国を訪れ、ホテルにこもる以外にやることがなくて途方に暮れた、という笑い話を良く聞きます。

この感謝祭の翌日からクリスマス(12/25)までの期間が、クリスマスセールに当たります。

通年の2~5割を売り上げるクリスマス商戦、だんだん把握が困難に

NRF(全米小売業協会)は、クリスマスセール期間の売上は、年間の小売売上の2割弱を占めると推計しています。おもちゃなどクリスマスプレゼント向けの商品は、品目によっては、この期間の売上が通年の5割に相当する、といった試算も目にします。

また、クリスマスセールの初日は、感謝祭(木曜日)の翌日ですから必ず金曜日になり、ブラック・フライデーと呼ばれています。これはセールの客が殺到し、黒字になるからだそうです。

ここ数年、主要な小売チェーンで、ブラック・フライデーの開店時間を早める店(金曜日未明など)が多くなっていました。それどころか、これまで閉店していた感謝祭当日に店を開けるところも現れています。加えて今年は、感謝祭の前日からセールを始めるところがあったと話題になっており、過熱気味になっています。

その一方で、消費者側については、クリスマスセールの後半になるほど、売れ行きの悪い商品の投げ売りが始まるので、その値崩れを待とう、との慎重な姿勢が目立つようです。

実際にブラック・フライデー及びその後のクリスマスセールの売上が好調なのかどうかは、米国経済の動向を見る上で重要です。そのため、今後発表される小売関連の指標を注視する必要があります。

ただし、最近はインターネット通販のシェアが拡大しているため、小売店舗の売上の集計値では全容が把握できにくいかもしれません。「サイバー・マンデー」という言葉がありますが、実はそれはブラック・フライデー(この日も休んで連休にする人が多い)後の土日を過ぎて、週明けの月曜日に出勤し、会社でインターネットを使って通販で商品を買う人が多いことから、その月曜日(今年は11/30月)を指しているのです(おいおい、仕事しろよ、という感じですね)。

また、ギフト券を買ってプレゼントする人も多く、その場合はギフト券を受け取った人が商品と交換した時点でその店の売上となるので、そうしたタイミングのずれにも留意する必要があるでしょう。

いずれにせよ、クリスマス商戦の実態は、だんだん把握しにくくはなっていると言えます。


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馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』(2015年11月29日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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