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馬渕治好の米国出張レポート~「利上げ、日本株、Xmas商戦」NY現地の声

米利上げの想定ペースは?海外投資家の日本株へのスタンスは?気になる米国クリスマス商戦はどうなっている?米CFA協会認定証券アナリストの馬渕治好さんによる、できたてホヤホヤの米国出張レポートです。(『馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』)

景気は?市場コンセンサスは?馬渕治好さんの米国出張レポート

引き続き世界市場は動意に乏しい展開か

先週は、大きな材料を欠き、また日米の休場もあって、世界の主要市場は概ね動きに乏しい展開となりました。ただし、ロシア・トルコ間の緊張など、地政学的リスクが影を落とした市場は個別にありました。

そうした世界的に静かな展開のなか、日本の株式市場においては、日経平均株価がなかなか2万円を超えないという「2万円の呪い」が発動していますが、これが何か深刻な事態を示唆している、ということは全くなく、いずれ2万円を超えてくると見込んでよいでしょう。

<中略>

今週は、引き続き、世界市場は動意に乏しいと見込みます。これは週末(12/4金)の米雇用統計などを控えていることや、米クリスマス商戦の行方を見極めたいとの空気が広がりうることなどによります。

なお、雇用統計そのものは、今年内の米連銀の小幅利上げを覆すものにはなりにくいと考えられ、また利上げそのものも十分市場に織り込まれているため、世界の市場動向の大勢を揺るがすようなことにはならないでしょう。

<中略>

これまでお伝えしていました通り、11/15(日)~11/21(土)に、米国に取材出張で滞在していました。下記はその雑感です。

1. 米景気はまあまあ

米景気は上向きだがそう強いわけではない、GoodだがGreatではない、という声が多く聞かれた。

外需が弱く内需が強い、製造業は弱く非製造業が強い、という図式である。このため製造業による設備投資が弱く、生産性の向上がはかばかしくない、との指摘が多かった。

内需は消費が強いということだが、自動車を除けばそれほど強いわけでもない、という見解が多い。最近の世代は余り物を買わなくなった(持ち家も含めて)、新製品の魅力が薄れている、との指摘もあった。

米ドル高の悪影響(輸出や連結海外収益、観光客減)も良く聞かれた。

ニューヨークの街中は、いつものように混んではいたが、昨年のほぼ同時期に訪れた時のような、朝から夜までどこでも混んでいる、というほどではなく、景気が良いながらも勢いに欠けているように感じた(百貨店での店員の声掛けも多い)。

2. 米金融・株式市場のコンセンサスは

連銀の金融政策については、12月に最初の利上げ、その後2016年は3か月に1回ごとの利上げ、という以外の意見を全く聞かなかった。コンセンサスは外れると言うが…。

短期金利より、長期金利が上振れする方が混乱の種になる、という意見が有力だった。ただし、問題なのは上振れのスピードであって、水準自体は10年債利回りが3%台になっても問題ない、という意見が聞かれた。

企業業績は7-9月期が前年比減益であったが、足を引っ張ったのはエネルギーセクターであり、それ以外は増益だということだ。このため、10-12月期以降は、前年比で原油価格下落の影響が一巡することから(米ドル高も同様)、落ち着いた増益基調に転じ、それが米株価を下支えする、という見解が多かった。

3. 日本株に強気も異論もあり、政策は期待していないが警戒はしている

取材した投資家、および取材先から聞いた他投資家のスタンスとしては、日本の景気・企業収益回復に基づいた強気シナリオがコンセンサスのようだ(米株についても同様)。

ただ、グローバルには、現在の日米株優位、新興諸国株劣位の状況が、どこかで(2016年かもしれないし、2017年以降かもしれない)反転すると見込まれ、それが向こう数年の運用成績を分けるのではないか、との声があった。

ただし、長期的な観点からは、日本の少子高齢化、教育(グローバルな人材が育つとは考えにくい)、日本企業のグローバルな競争力(どういった産業のどういった製品が伸びるのか考えにくい)などを踏まえると、日本株投資に消極的、という声もあった。

経済対策に対する期待は極めて薄い(だからと言って日本株を売るわけではない)。ただし、日銀の金融政策については、過去2回マーケットを持って行かれているため、追加緩和が景気に効くとは全く考えていなくても、警戒はしたい、という声があった。

Next: 米国クリスマス商戦の見極めが難しくなってきた。その理由とは?

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