ドル/円は保ちあいの局面、堅調な展開が続けば上値抵抗線を試す動きに期待できる――正五角形の黄金比率で相場を読み解く「ペンタゴンチャート」の第一人者・川口一晃氏による最新の各通貨ペア分析をお届けします。(☆ペンタゴンチャート分析<為替編>)
※本記事は『☆ペンタゴンチャート分析<為替編>』(2019年4月14日号)の一部抜粋です。興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本稿で割愛したビットコインの展望もすぐ読めます。
ペンタゴンチャートの見方
(1)ローソク足(値段)は各辺に沿って動いたり、各点に引き寄せられる
(2)各点が変化日になる
(3)各点に引き寄せられたもののその点に到達できなかった場合には反転する
(4)中心点の上方を通過すれば次のペンタゴンは上方か真横、下方を通過すれば真横か下方に付く
(5)時間の逆行は起きてはいけないこととされている
米ドル、ユーロ、豪ドル、ポンド 各通貨ペアチャート分析
米ドル/円 上値の節目を超えていけるか
上値抵抗線として存在していたACラインを越えて行くことができるのか、そしてB点が位置する時間帯を通過することで流れが変わるのか否かもポイントになった。実際には、週初よりACラインに沿って推移したものの、B点が位置する時間帯より上昇に転じ上値抵抗線ACラインを越えてきた。注目日は4月22日前後である。
A点水準:約113円25銭
B点水準:約106円
C点水準:約110円50銭
<今週のポイント>
●堅調な展開が続くのであれば、上値抵抗線として控えているADラインを試す動きになっていくことが期待される。この動きは年初来高値を更新していく動きでもあり、強気が広がることを期待できよう。
●p点が位置する上値の節目を越えて行くことができるのか否かにも注目したい。すなわち、取引時間中ではなく終値として越えて行きたい。
<現在の相場状況>
上昇トレンドの上昇局面である。下落局面への転換価格(売りシグナル及びロスカット)は、終値で111円10銭を割り込むことである。
<今週のメインシナリオ>
堅調な展開が続いている。上値抵抗線と目されたACラインを越えてきている。しかも、B点が位置する時間帯より上昇に転じているからである。この場合、113円台乗せからADラインを試す可能性がある。
<サブシナリオ>
上値の重たい展開に移行する可能性も残っている。上値抵抗線としてADラインが控えている。そして、p点とのダブルトップ形成の可能性があるからだ。この場合は、111円割れからC点水準を試す動きになることが考えられる。
ユーロ/米ドル 再び上値の重い動きになるか
下値支持線と期待されたABラインに到達すると同時に下げ止まりから落ち着いた動きになった。そして、B点が位置する時間帯を通過した後も上昇が続き、買い転換となった。注目日は4月24日前後。
A点水準:約1.10ドル
B点水準:約1.17ドル
<今週のポイント>
●上値抵抗線としてBCラインが控えている。したがって、このBCラインに到達することで再び上値の重たい展開に移行してしまうのか否かがポイントになる。しかも、ペンタゴンが真横に描き足される場合に横切るライン、つまりBCラインに到達すると直前と流れと変わることが多いからだ。
<現在の相場状況>
下落トレンドの上昇局面である。売りポジションへの転換価格(売りシグナル及びロスカット)は、終値で1.121ドルを割り込むことである。
<今週のメインシナリオ>
底堅い動きが続いている。A点が位置する時間帯に下げ止まり、その後は底堅い動きを見せ、そしてB点が位置する時間帯以降も値を上げてきているからである。この場合、1.13ドル台乗せから1.14ドル半ばを目指すことが期待される。
<サブシナリオ>
上値の重たい展開に戻る可能性も残っている。現在はあくまでもレンジでの動きであることから、上値も限定的。そして、上値抵抗線BCラインが上値抵抗線として控えているからである。この場合、終値で1.12ドルを割り込むと弱気が広がる可能性がある。