大株主に注目!
ビックカメラの大株主は、ほとんどが信託銀行(の信託財産)で、昨年と変わらず。信託銀行は、個人や企業などのお金を預かり、管理、運用する銀行。通常は、一般の人々から集められたお金や年金資金などが運用されているものと考えられます。
ところが、なんと、株主となっている信託銀行のほとんどは、創業者の新井隆二氏が委託した財産を管理しているものとのこと。つまり、株主の名前は信託銀行になっていますが、実質的には新井氏の株であるということです。
第2位の株式会社ラ・ホールディングスも、新井氏の資産運用会社のようですから、50%超を新井氏が保有している計算になります。それ以外の大株主は、信託の一部と、株式会社TBSテレビ。いくつもの信託銀行に分けて信託し、それが大株主となって名を連ねる。新井氏は役員にはなっておられませんので、オーナーとして、最終的な実権を握り続けていらっしゃるということでしょう。
創業者が大株主として存在している中で雇われている社長は、非常に窮屈な思いをするという話を聞いたことがあります。現在の社長である宮嶋氏は、創業者の新井氏から指名されて二代目社長となったようですが、今のお立場をどのように感じているのでしょうか。
なお、TBSとビックカメラには、業務提携があったようですね。現在は良くわかりませんが、TBSが、話題の商品が発売イベントなどで、ビックカメラを撮影現場に選んでいた時期があったそうです。
余談ですが、ビックカメラは、BS11(BS11チャンネル)の親会社です。BS11で『家電’s Walker』という番組が放送されるのも当然ですね。
ビックカメラの業績メモ(百万円未満切捨)
ビックカメラの2015年8月期の業績は以下の通り。
売上高795,368百万円(7,953億6,800万円、前期4.5%減)
営業利益18,800百万円(188億円、前期6.1%減)
経常利益20,401百万円(204億100万円、前期15.2%減)
当期純利益6,804百万円(68億400万円、前期30.9%減)総資産329,580百万円(3,295億8,000万円)
純資産120,846百万円(1,208億4,600万円)
自己資本比率約30.5%執筆時点での時価総額 約1,822億円
営業活動によるキャッシュフロー 6,128百万円
投資活動によるキャッシュフロー △8,001百万円
財務活動によるキャッシュフロー △1,765百万円
キャッシュフローから妄想できることは、
- 営業活動によるキャッシュフローがプラスであることから、本業ビジネスでお金を稼いでいる
- 投資活動によるキャッシュフローがマイナス(△)であることから、投資をしたと推測できる
- 財務活動によるキャッシュフローがマイナス(△)であることから、返済などよる支出があったと推測できる
といったところでしょうか。
今回のお土産
今回は株主総会招集通知にはお土産なしと記載されておりましが、ビックカメラでの割引チケットが配布されました。また、希望者にはビックカメラのカレンダーも配布していました。さて、次回はどこの株主総会に行くことになるのやら。乞うご期待!
『平林亮子の晴れ時々株主総会』vol.32(2015年12月21日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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ベンチャー企業のコンサルティングを行うかたわら、講演活動やマスコミなどでも活躍。毎月どこかの上場企業の株主総会に個人株主として参加中。