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体育会系なムードが面白い!ビックカメラの株主総会に行ってきた=平林亮子

そして、株主からの質問に答える姿勢も、前回同様、本当にしっかりしていました。株主からの質問を受けた社長が、誰に答えてもらうのが適切かな、という顔で壇上を見回すと、壇上にいる役員や部長が、何人も「自分が答えます!」という意思表示として手を挙げる。そして、社長がその中から指名して答えるという光景を今年も見ることができました。

ただ、前回ほどの勢いはないな、というのが正直な感想でした。その中で、執行役員営業部長の石川氏が、「はい!」という元気な声とともに手を挙げて、とても歯切れよく、株主からの質問に答えていたのは印象に残っています。

業績はナレーション付きの映像による報告でした。ビックカメラは減収ながらも増益で、コジマはいまいち振るわなかったそうですが、プライベートブランドの開発に力を入れている点や、物流拠点の統合を進めているという話は興味深かったです。

また、インバウンド需要はまだまだ伸びているようで、観光客増加が見込まれることから、今後も力を入れていくことになるものと思います。今、走っている事業年度の9月、10月のインバウンド売上は、前年同月比の200%だそうで、好調のようです。

この点、店舗によって、英語や中国語はもちろん、タイ語、フランス語、韓国語のできるスタッフを配置しているのだとか。タイ語やフランス語まで対応できるというのは、すごいです。それだけ色々な国からお客様が来るということです。

女性と監査役

ビックカメラの現在の常勤監査役は女性です。

上場企業では、取締役にも監査役にも女性は少ないですから、ついつい「女性の監査役」という言葉を使ってしまう自分がいます。

監査役というポジションは、女性に向いているかもしれません。社内での管理職や取締役になろうと思うと、その会社での一定の経験が重要になります。取締役であれば、会社の方向性を決めることになるため、意思決定の場数を踏んでいることなどが重要になってきますし、その会社での業務経験や長年にわたるビジネスの経験が必要であることも多いのが現実です。

一方、監査役は、取締役の職務や企業の業務内容をチェックする仕事ですから、重要なのは法律知識やコミュニケーション能力、そして真面目さや正義感。会社からも社長からも少し距離を置いた立場で仕事ができますし、仕事の方法を工夫すれば、スケジュールなども、自由に組み立てられる可能性があります。

こうしたポジションから、女性の登用について考えてみるのは、良い方法ではないかと感じます。企業にとっても、女性を活用しているというアピールになりますよね。アピールのために女性を登用するというのでは、本質的な女性の活用とは言えないかもしれませんが、スタートは、そういう目的でも良いのだと思います。

そうこうしているうちに、女性も経験を積むことができますし、男性も女性と仕事をするということに慣れてきて、互いに力を生かし合う方法が見えてくるのではないでしょうか。

実際、株主からも、女性の監査役に話を聞いてみたい、という質問が飛び出しました。どんな内部監査をしているのか、といった質問でしたが、女性監査役も「店舗に出向いて、女性の社員に声をかけている」といった言葉を交えて回答していました。

ちなみに、ビックカメラでは、子供が3歳になるまで育児休暇を取ることができるそうです。さすがに、そこまで仕事を離れると復帰するのは難しいのではないかと感じますがまずは制度を作ってみるというのは1つのやり方です。

そんなやり取りや、ビックカメラの育児休暇の話を聞いていて、「女性が活躍するというのは具体的にどういうことなのかなあ」ということを考えさせられました。

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