昨晩もドル金利の低下が顕著だった。ドルの短期金利は先物価格だけを見れば、来年の6月までに3回分の利下げ幅を織り込んでしまったのはどうしてなのか。(『持田有紀子のグローバル投資術~日経先物、FXの投資戦略に最強の味方~』持田有紀子)
※本記事は、『持田有紀子のグローバル投資術~日経先物、FXの投資戦略に最強の味方~』 2019年6月3日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
慶応義塾大学法学部政治学科卒。野村証券入社、本社・商品本部で株式トレーダーを経て、女性初の総合職として本店営業部へ。株式オプション課や営業課を経験する。退社後は人事コンサルティングの分野で活動し、行動科学や心理学に基づく人事評価のためのコンピテンシーモデルの開発などに携わる。2005年にアルジャントレード(株)を立ち上げ、海外の先物市場や外国為替取引のノウハウの蓄積を活用した投資情報サービスに関わっている。現在、同社における代表取締役。マネーコンサルタント。
要人の相次ぐ発言で高まる利下げ期待、今晩のパウエル議長に注目
来年の6月までに3回の利下げを織り込んだ、ドルの短期金利
昨日もドル金利の低下が顕著になった。ドルの短期金利は先物価格だけを見ると、来年の6月までに3回分の利下げ幅を織り込んでしまっている。
今年の9月と12月に利下げがあったら、来年の3月も利下げするいうことだ。ちょっと前までは利上げの停止はトランプ大統領の圧力に屈したこともあり、仕方のないことでもあろうと考えられた。
利下げまで織り込むというのは、いかにも行き過ぎとも思われる。しかしそれがG20の金融担当相会合をひかえて一層の世界的な金利安をもたらしている。
それだけ議長国の日本には調整力やメッセージの発信力がないとみなされているのかもしれない。先週、クラリダ副議長の「予防的な利下げ」発言があった。
これに続いて昨日はブラード総裁が「近く利下げも正当化されるのではないか」と公言した。これが利下げ方向にお墨付きを与えたものと評価され、それに伴ってのドル金利低下であった。
しかしこれは悪い金利低下なので、株価にとっても健全とは言えない。米国株は頭の重い動きを強いられ続けている。今晩のパウエル議長の発言に注目が集まりそうだ。
日本時間 11時30分
日経=20320, 円債=153.29, JPY=107.94
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『持田有紀子のグローバル投資術~日経先物、FXの投資戦略に最強の味方~』(2019年6月3日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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