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“黒田2”窓埋めなら15,701円も。遠いセリング・クライマックス=山崎和邦

株価のメドは?15,701円の窓埋めを意識

この相場の始動点8,665円(12年11月14日、衆院解散決定日)から15年6月22日20,952円までの、3分の1押しは、正確には16,857円、大天井から-20%は16,761円(NYでは120年間に23回、下降大相場に転換したと言われるレベル)、昨年9月29日16,901円、今年1月14日16,944円。

ここで止まれば「-20%は避け得て、3分の1押しを堅持した形のいい毛抜き底(Wボトム)の形成だ」となるが、その可能性は少ない(03~07年の小泉内閣相場では青春期相場が終わって1年余も保ち合いが続き何度も下値を試しに行ったが決して3分の1押しを割らなかった。あの当時のように下値を5~6回も試せば確信持って言えるが)。

今は15,701円の窓埋めを意識する動きの方が強いという気がする。

では、これを下に突破されればどうか?

14年10月末の黒田バズーカ砲2弾のあとの10月の窓埋めが16,533円、それを下に突破されれば黒田2の直後の大きな窓を埋める15,701円、それを下に突破されれば始動点から大天井までの半値押しは14,809円となる。

今、手を空けてキャッシュポジションを高めて買い場を探している聡明な投資家にとって理想的なのは、この半値押しであろう。そこで「一旦大天井を突いた相場は故郷へ帰る相場だ(故郷とは始動点の8,665円を指す)」とか「半値押しは全値押し」といった根拠のない格言(格言と言うより警句である)が流行ったら、断固、買い場であろう。

が、その頃になると買いたくなくなるものである。そこで自己超越の自律が要る。だが、相場は聡明な投資家の思い通りにもならない意地悪な生き物である。ということは半値押しまではない、と言えるであろう。

見通しとか通念というものは、普通は明るく安定感があって夢のあるものでないと流行らない。筆者はそれを承知で嫌われることでも平気で述べてきた。悪しからずご了承賜りたい。だが、流行った通念というものは居心地がよくて分かり易いが実現しにくい。

今後の市場の注目点――中国の実体経済の悪化・それは原油安の問題に直結しオイルマネーの日本株売りに直結する

中国経済悪化の影響、中国人民元の再切り下げ、利上げ後の米経済の動向、新興国の経済、原油安、TPP変節女ヒラリーのアンチ日本傾向、市場撹乱男トランプが呼ぶ嵐、英国のEU離脱問題、夏の衆参両院選挙、これらを列挙して逐一解説しても、それは学校の教室でやることであって我々には意味はない。

解説者や評論家やキャスターと称する稼業の人々はそういう言論でメシを食っているが、少なくも筆者はハシで飯を食う男である。

市場はカネを獲ってくる場所、或いは資産価値を増やすところであって、評論する所ではない。よって逐一、上げ下げの要因を評論することは止める。ここでは中国の実体経済の悪化に絞る。それは原油安の問題に直結し日本株売りに直結する。

中国株安そのものは金融市場の問題としては小さい。上海株安は中国の実体経済の悪化を象徴するから嫌気しているのだ。実体が巨体だから、倒れたら跨いで先に進めないのだ。金融市場の問題ではない。

シャドウバンキング騒ぎの時に本稿で述べたように、中国の金融問題はサブプライムと違って格付けされて世界中に伝播するわけでもないし、中国市場は先進諸国では必ずしも本気では受け止められてないから、世界の金融市場の神経機能に激震を及ぼす性質のものではない(北朝鮮の水爆実験も始めからハッタリだと思っているからこれも金融市場に影響するものではない。リオ五輪も考慮の外でいいだろう)。

Next: 「逆オイルショック」/週末の騰落レシオは記録的レベル

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