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1ドル110円割れも。「円安トレンドの終焉」で日銀はどう動くのか?=久保田博幸

あくまでチャート上からではあるが、ドル円はさらに下落することが予想され、目先の目処としては110円割れあたりまでありうるか。もしドル円が110円近辺まで下落したとして、政府や日銀は何らかの対策を打ち出すのであろうか。(『牛さん熊さんの本日の債券』久保田博幸)

1ドル110円は想定内。政府や日銀はどのような対策を打ち出すか?

中国懸念によるリスク回避の動き

8日に発表された12月の米雇用統計では、非農業雇用者数が29.2万人増と市場予想の20万人増を大きく上回った。10月、11月も上方修正された。暖冬の影響で建設業など主体に増加したようである。失業率も5.0%と低水準を維持している。時間当たり賃金は前月からわずかながら減少した。賃金は前年比で2.5%の増加となり、前月の2.3%から伸びが拡大した。

これを受けて8日の米国株式市場は買いが先行したものの、中国経済への警戒感などにより戻り売りに押され、前日比167ドルの下落となった。

FRBの利上げペースが意識された可能性はあるものの、米国経済の堅調さよりもリスク回避の動きが意識されたようである。11日のダウ平均は52ドル高とやや戻したが、12日の東京株式市場は売りが先行し、日経平均は一時300円を超える下げとなった。いったん押し目買いが入るとは思うものの、チャート上からは、いずれ日経平均は17000円割れを試してくる可能性が高そうである。

11日に原油先物市場ではWTI先物が一時30.88ドルと2003年12月上旬以来の安値を付けた。引けは31.41ドルとなっていたが、こちらも30ドル割れは時間の問題となりつつある。
(※編注:WTI原油先物は12日、12年ぶりに一時30ドルを下回った)

株安や原油安などの一連の動きの背景には、中国経済への懸念によるリスク回避の動きがある。このため外為市場では円高圧力が強まり、ドル円は12月はじめの123円台から一気に下落(円は上昇)し、一時117円を割り込んだ。

思惑で買われ、真実で売られたドル

今年のドル円の予想は円安と円高に極端に分かれていたが、いまのところは円高に軍配が上がった格好となっている。この円高傾向についてはリスク回避以外に説明が難しい。ただし、トレンドが変化しつつあることは確かではなかろうか。

米ドル/円 週足(SBI証券提供)

米ドル/円 週足(SBI証券提供)

米ドル/円 月足(SBI証券提供)

米ドル/円 月足(SBI証券提供)

ドル円のチャートを少し長めのターム(月足)でみてみると、2012年10月あたりで円高トレンドが修正されて、円安が急速に進行する。いわゆるアベノミクスをきっかけとしての円高調整の動きとなった。

その円安がいったん105円近辺で落ち着くが、2014年9月あたりから再び円安が進行する。FRBの利上げ観測によるドル高であったが、そこに10月の日銀による異次元緩和第2弾が加わり、ドル円は120円台に乗せ、2015年6月に125円台をつけたところでピークアウトした。

このあたりからドル円の上値が重くなったのは、黒田日銀総裁の発言による125円ラインが意識されたこともあるが、これ以上の円安を望んでいないとする政府の意向も意識されたとみられる。

そして、FRBは2015年12月のFOMCで利上げを決定し、思惑で買われたドルが真実で売られた格好となった。

Next: 打つ手が限られる日銀、3発目の「バズーカ」は市場を失望させる恐れも

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