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中国が極秘裏に描く「世界金融戦争の終盤戦略」~金買い増しと資金流出のウラ

質問:
中国は、そのような大量のゴールドを価格上昇させずに、これまでどのようにして蓄積することができたのでしょうか?

WM:
急激に価格が上昇してしまうような事態は避けたかったので、「米ドルに対するヘッジとして金保有をする」などとは公言しなかったのだ。そうではなく、前述のやり方で外貨準備に対する公的金準備を小さな比率に抑えてきた。これは賢明な手法だ。もし中国が金価格を1オンス3000ドルにしたいと考えればいつでもできる。例えば外貨準備の25%を短期間で金準備に代えれば、すぐにも可能だ。

質問:
上海黄金交易所は一体どのようなものなのですか?

WM:
COMEX先物市場の価格形成メカニズムを上海に持ち込みたかったのだ。それで上海に取引所を作ったのだが、そこではほとんど誰でも口座開設、先物取引ができる。少し異なる点としては、上海では市場参加者の3件の取引に対して1件は現物引渡しになっている。他方、COMEXでは、300件の取引で1件のみが現物引渡しになるだけだ。現在、銀先物取引で見れば、COMEX以上に上海での取引数が多いのだ。

質問:
中国が、ニューヨークとロンドンの金保管庫を買い取りましたね。

WM:
中国はゴールドがさらに重要視されるような次の段階(重大危機で没収するような事態)に備えているのは明らか。16B$程度の資金規模のゴールド投資基金も創設し、これで、新シルクロード周辺国(ユーラシア圏)の金鉱山に開発探査資金を貸し出すのだ。

金先物市場を創設すれば、次に現物引渡しのための決済システムが必要であり、そうなると現物地金の保管庫が、世界各地で必要となる。金保管庫を所有管理すれば、現物決済システム管理ができるゆえに、保管庫こそが金価格を決定する金先物取引の必要条件になるのだ。

先物市場は紙証文取引だが、それでも裏付けの現物が必要であり、それで保管庫が必要なのだ。保管庫の鍵を保有していなければ、保管庫内に実際に現物があるのかどうかも分からないではないか。それで中国はニューヨークのJ.P.Morgan金保管庫を買い取り、ロンドンのドイツ銀行の金保管庫を買い取ったのだ。

質問:
中国にとっての「終盤戦」とは、どのようなものになるのでしょう?

WM:
中国の計画は、最終的には金融システムの中でゴールドが最重要な役割となるような道程までの長期的なものだろう。金融システムの次の段階は、ゴールドがシステムの中で支配的な位置を占めるようなもので、それに備えている。そうなれば、金価格がさらに大きく上昇すると中国は考えていると思う。

以前James Rickards氏が語ったことだが、IMF内部では米欧中国で合意事項が存在し、それによると米国、ユーロ圏、中国は、それぞれの経済規模に応じての金準備を保有し、その合計量を3万トンにして、それをSDR(特別引き出し権)の準備バスケットにリンクさせるということだ。

中国は英国の王立国際研究所に、次世代の金融システムとはどのようなものか?という分析報告を依頼していたが、この分析では、ゴールドも次の金融システムに含まれるようになるとの報告となっている。中国が国際金融システムにゴールドの追加を望んでいるのは明白であり、それゆえ、未来のSDRはゴールドにリンクしたものになるだろう。

私が思うには、中国は米国やIMFと何らかの合意をしており、それには中国の金準備の一部を米国に預けたままにするだろうと想像している。

つまり中国が買い取ったニューヨーク金保管庫の中に預けたままにするのだ。この元J.P.Morgan金保管庫はJ.P.Morganの建物内に存在し、道を挟んでNY連銀ビルに隣接しており、そのNY連銀ビルの金保管庫はFort Knox基地を除くと世界最大の金地金を保管しているのだ。

質問:
金地金を金融システム内で保管する利点は一体何なのでしょう?

WM:
金融システム内で保管しておけば、金融システムの信認が保たれ、それでハイパー・インフレを防止できるからだ。

それにSDRの通貨バスケットの裏付けに使えるからだ。もし、1オンスのゴールドの公定価格を現在の42ドルから8400ドルに評価し直せば、世界中の中央銀行にとって大きな利益となる。特に米国財務省と連銀のバランスシートは健全な状態になるからだ。

この公定価格の修正で、バランスシート上の金準備が11B$から一挙に2.2T$になる。混乱に対する容易な解決法は、この公的金価格の切り上げなのだ。

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