「ただ単に選挙対策だったのではないか」と言われている
なぜ、トランプ大統領は2020年に入った今、暗殺を指示したのか。アメリカの多くのメディアは「ただ単に選挙対策だったのではないか」と言っている。
2020年はいよいよ大統領選のクライマックスに入る。トランプ大統領はここで分かりやすい勝利が欲しい。大統領弾劾追訴から国民の目をそらすためにも、何か分かりやすい「功績」が必要だ。
戦争になったら勝利が長引くので「功績」が大統領選挙に間に合わないかもしれない。戦争にならない分かりやすく手っ取り早い「功績」が欲しい。いろいろ検討した結果、ソレイマニ司令官の爆殺が手頃だと判断された。
そういうことだったのではないか。
現に、クリントン元大統領も不倫揉み消しのためにイラク空爆なんかをやっている。アメリカの大統領は自分の都合で外国のどこかを爆撃して「功績」にするのがひとつの手法になっているのだ。
ソレイマニ司令官は一瞬にして爆殺されて肉片となって飛び散って人生が終わったが、これはトランプ大統領にとってはただの「選挙キャンペーン」の一環でしかない。とりあえず暗殺は無事に終了して、この男の死は自分の「功績」となった。
ソレイマニ司令官の死の意味を私たちは憶測し、アメリカとイランの複雑な関係をメディアはどこかの専門家を引っ張り出して滔々と述べさせている。しかし、トランプ大統領が「大統領選に有利になるためにやった」のが動機なのであれば、すっかりトランプ大統領の選挙キャンペーンに乗せられている。
ソレイマニ司令官を無事に爆殺して「功績」を1個手にしたトランプ大統領は、得意満面でそれを発表した翌日にのんびりゴルフをして遊んでいる。これから戦争に向かう緊迫した状況ではないのは確かだ。
トランプ大統領の中では、もうこれは終わった話題だ。
最後に生き残るのは、結局のところアメリカでしかない
そんなわけで、私自身は別にイランとアメリカがこれによって第三次世界大戦の引き金を引くとは思っていないし、どちらも戦争したいと思っていない以上は、自然に収束していくようなレベルのものであると思っている。
この状況を見ると分かる通り、世界情勢は「アメリカが主導権を握っている」ということが分かる。他国で自国に都合の悪い人間を空爆できるほどの主導権がアメリカにはあるのだ。
凄まじく自己中心で乱暴で強引なのがアメリカという国である。世界を支配している覇権国家であり、帝国である。
アメリカは自分たちの覇権国家としての地位を脅かす存在は決して許さない。同盟国だろうが、貿易相手だろうが同じだ。
日本も1985年にプラザ合意を飲まされて異常なまでの円高誘導に導かれたが、アメリカは台頭してきた国があればことごとく牙を剥いて仕留めにかかる国である。
EU(欧州連合)も「アメリカを超える超大国になる」と言い出した瞬間にアメリカに敵視されてガタガタになっているし、中国もまたアメリカを超える経済大国・技術大国を目指すようになった瞬間、アメリカは牙を剥くようになった。
中国共産党政権が支配する中国は、もともと国民弾圧と言論封鎖と知的財産の強奪で成り立っている国である。長く存続できるような体制になっていない。
そんなところに中国はアメリカの標的になったのだから、遅かれ早かれアメリカに叩き潰されて歴史の藻屑に消えていくのは間違いない。中国共産党政権は国と共に滅び去り、以後は今の中国が4つか5つに分裂しても、私は驚かない。
最後に生き残るのは、結局のところアメリカでしかない。
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