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大和ハウス、架空発注でまたも不祥事。たった1年で5件もの不正事案に問われる管理体制

問題だらけの「大和ハウス」

まず3月に発覚した中国の合弁会社で約234億8,800万円もの巨額横領事件がある。芳井敬一社長は、「体制が甘かった」などとしてガバナンスの問題を認めていたが、翌4月には国内住宅で建築基準法に違反した手続きが行われていたことが明らかになり、大問題に。当初、全国2000棟と発表されていたが、6月には新たに1900棟の違反物件があったことが判明し、違反物件は約4000棟に膨れ上がった。

また8月には運営する大阪府泉佐野市の温泉施設「岩塩温泉りんくうの湯」が、天然温泉とうたいながら工業用水を温めて使用していたことが発覚。それだけではない。12月にも社員約350人が必要な実務経験年数を満たさずに施工管理技師の国家資格を取得していたことが問題になっていた。

そこに来て、今回の「2億数千万の架空発注」問題だ。ここ約1年の間だけでも、「巨額横領事件」「建築基準法違反」「温泉成分虚偽問題」「不適切動画の投稿」「国家資格の不正取得」という5つの問題を引き起こしたことになる。

また一昨年9月には委託先の水道整備会社の従業員が建築中のアパートの受水槽内で泳ぐ様子を動画サイトに適切投稿していたことも問題に。2017年には営業職の20代男性が長時間の時間外労働の末にうつ病になり、退職を余儀なくされたとして「ブラック企業」大賞にノミネートされている。労働時間管理に関する是正勧告は2011年にも行われていたようだ。

このままでは大和ハウスの信用は失墜してしまうだろう。発覚している問題の多くが管理統制の甘さに起因するものだけに、同社の改善を期待したい。

※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。
image by: TK Kurikawa / Shutterstock.com
source: 日本経済新聞讀賣新聞共同通信

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