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米抗議デモで破壊された銅像を買い漁るロシアの思惑=浜田和幸

ロシアが米国を驚かせる新手を繰り出してきた。米国各地で破壊や撤去が広がる白人至上主義の政治家の銅像を買い取りたいと申し出たのだ。それには理由がある。(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)

※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2020年7月10日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:浜田和幸(はまだ かずゆき)
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。

軽々と「憲法改正」を成し遂げたプーチン

ロシア人は手ごわい存在だ。その代表選手はプーチン大統領であろう。

7月1日の国民投票で憲法の改正を成し遂げ、自らが2036年まで大統領の座に居座ることを可能にしてしまった。

長年、KGBで世論工作のノウハウを身に付けてきた甲斐もあってか、メディアを使った選挙戦ではほかの追随を許さない。

何しろ、投票すれば「新車や住宅が当たる」という宣伝もあれば、投票所のそばでは子どもにお菓子を配ったり、大道芸人によるパフォーマンスも繰り広げるというサービス三昧で、投票率を上げる仕掛けが満載であった。

新型コロナウィルスの感染者は増える一方のロシアであるが、プーチン大統領の人気は根強いままだ。

そんなロシアがアメリカを驚かせる新手を繰り出してきた。

米国で破壊された銅像を買い漁る?

何かといえば、アメリカ各地で破壊や撤去が広がる白人至上主義の政治家の銅像を買い取りたいと申し出たのである。

このところ、リンカーン大統領から西部劇映画スターのジョン・ウェインまで、その銅像が「人種差別の象徴」と見なされ、憎悪の的になっている。

そのため、各地でこうした銅像が撤去され、破壊されることになってしまった。

そこに救世主の如く登場したのが、ロシアの大富豪である。

「ロシア芸術財団」を率いるアンドレイ・フィラトフ氏は「セオドア・ルーズベルト大統領やアレクサンダー・バラノフ知事の銅像を買い取りたい」と申し出た。

Next: ご存知、ルーズベルトは第26代大統領であるが、ロシアにとっては重要な――

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