スポーツくじのひとつ「MEGA BIG」で、12億円の1等当せんが1口誕生したことが判明し、驚きと羨望の声が広がっている。
1等当せん12億円が飛び出したのは、先週12月5日の締め切りで販売されていた第1210回。MEGA BIGは、今年2月から販売が始まったスポーツくじで、1等当せんが出たのは初めてのこと。今回の12億円という金額は、公営競技を除く日本くじ史上最高の当せん金額だ。
ニュースを受けて、ネット上では「もしかして俺か?」「結果を見ずに記帳してくる」という風に、にわかに浮足立つ購入者が続出。ちなみに、この第1210回の払戻開始日は12月8日(火)となっているため、記帳をするならその後にしたほうが良さそうである。
MEGABIG遂に1等出たか!俺か!? pic.twitter.com/eXQnm0KsXL
— 株式ふみちゃん (@konntonnamaguri) December 7, 2020
MEGABIGで日本くじ史上最高額12億円当せん(日刊スポーツ)
出たんだ。
俺じゃなかった😂 https://t.co/OHXr3knq5P— ♂パープル♀ (@purpleumini) December 6, 2020
MEGABIGで史上最高の12億円が出た‼️ふと思うことがあって先週買ったんだよねー
結果を見ずに記帳に行ってみよう(笑)— まみぼん (@mamibon) December 7, 2020
売上減少にあえぐスポーツくじ
スポーツくじは、サッカーの試合の予想に応じた買い目の選択を自分でする「選択式」と、購入時にコンピューターがランダムに買い目を選択する「ランダム式」が存在する。
選択式のスポーツくじには「toto」「mini toto」「toto GOAL3」「toto GOAL2」が、ランダム式には「BIG」「mini BIG」「BIG 1000」「100円 BIG」「MEGA BIG」と合計9種類もあり、今回の12億円という当せん金額も驚きだが、それ以前に「いつの間にかに種類がすごく増えてる」ということで、驚かれる方も多いかもしれない。
今回12億円が飛び出したMEGA BIGは、指定された試合12マッチ分における90分間での両チーム合計得点数を当てるもので、計1点以下なら1、2点が2、3点が3、4点以上が4の4択。ランダム式なので買い目はコンピューターによる自動決定で、最高当せん額はキャリーオーバー時は最高12億、キャリーオーバーがない通常時は7億2円となっている。ちなみに「7億2円」というように端数があるのは、法令上この手のくじは100円単位で当せん金額を定める規定があり、「MEGA BIG」は一口300円なので、当せん金額は3の倍数である必要がある、ということらしい。
そんな「MEGA BIG」だが、今年2月に突如として登場した背景には、スポーツくじ全体の売上減少があるようだ。
スポーツくじの年度別売上推移を見ると、期間限定で「BIG」の1等を最高当せん金額10億円とするなどのテコ入れ策を講じた2013年度に、過去最高となる約1,080億円の売上を記録。それ以降5年間は、売上1,000億円以上をキープしてきた。ところが2018年度は948億円となり、昨年度の2019年度も約938億円と2年連続で1,000億円を割り込む結果となった。
根強いランダム式への不信の目
スポーツくじ売上減少の原因は様々と指摘されているが、その1つとしてして挙げられるのが、とりわけ「ランダム式」のスポーツくじにおいて「買い目を操作してるんじゃないか」といった疑惑の目が、一部ファンの間で根強い点だ。
totoBIG第909回
写真左 5口買い
写真右 10口買い
1〜5番目までくじが完全一致 pic.twitter.com/WlcGBR4rGy— 540 (@4DOqRqe5bPw4tUh) February 15, 2017
その論拠の最たるものとして有名なのが、2017年2月にネットで話題となった「BIG」の上記のような買い目。なんと2日間に分けて買った買い目のうち5口分が、完全に一致しているというのだ。ちなみに、このような現象が起こるのは約25溝0316穣0000杼0000垓0000京0000兆0000億0000万0000分の1の確率とのことで、ビッグバンが起こり宇宙が誕生する確率よりも低い。
当時、このツイートはネットニュースなどでも取り上げられ、それに対してスポーツくじの運営・発売を行う独立行政法人日本スポーツ振興センターからは「システムの不具合や不正な操作等によるものではないことを確認いたしました」とのコメントが出されるなど、大きな騒動に。実際、この出来事の発生以後である2017年度は前年度と比べて売上を下げ、さらにその後の2018年度は売上1,000億円を割り込んだというのは、先述の通りだ。
そのような状況下で、売上回復の起爆剤として登場したのが、この「MEGA BIG」だったわけだ。ただ、これも今年2月の販売開始以降、1等がまったく出ない状態が続いた。そのため「システム的に問題があるのでは」といった疑念の声が、かねてから多くあがっていた。
これだけ当選が出ないって、クジのシステムに瑕疵があるか不正が発生してるとしか思えないなあ。#MEGABIG
「MEGA BIG」の1等12億円はいつ出るか 要注意すべき「誤謬」 #ldnews https://t.co/2gSKnKScJq
— るすてぃけろ (@mongol800_2020) October 5, 2020
MEGA BIGくんさぁ……そりゃ君が当たりづらいシステムなのはわかるけど、いくらなんでも2月に始まってから一度も一等が出てないってのは途中にコロナでの休止期間があるにしてもシステム的に問題あるんじゃないかね?キャリーオーバーが37億円とか恥ずかしくないの?
— 匠屋本舗 (@takumiya) October 11, 2020
そんななか、ようやく飛び出した12億円の1等当せん。一度だけの1等出現で、今までの疑惑が一掃されるとは思われないが、とはいえ今回をきっかけに「一度買ってみようかな」といった声もあがっているのも事実で、今年度の売上1,000億円回復に向けては大きな弾みとなりそう。ちなみに次回のスポーツくじは、12月11日(金)締め切りの1211回で、これが2020年最後となる予定だ。
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