2026年2月16日に開催された、SOLIZE Holdings株式会社2025年12月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
目次
宮藤 康聡氏:みなさま、こんにちは。SOLIZE Holdings株式会社代表取締役社長CEOの宮藤です。本日はお忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。それでは、さっそくご説明に入ります。
はじめにエグゼクティブサマリーについてお話しした後、2025年12月期の決算ハイライト、2026年12月期の連結業績予想、株主還元の順でご説明します。
中長期の成長目標

エグゼクティブサマリーです。当社は2024年2月に上場しました。上場時点で売上高は200億円を超えていましたが、さらなる成長を目指し、2033年に売上高1,000億円の企業体を目指すという中長期の成長目標を掲げています。
当社は創業から30年以上が経過していますが、ものづくりをデジタルテクノロジーで変革することを使命とし、取り組んできました。徐々に事業範囲を広げ、コンサルティング事業を開始するなど、企業の変革まで事業ドメインを拡大してきました。
こうした経験を活かし、大きく社会が変わる中で、日本におけるさまざまなインフラが制度疲労を起こしている状況を踏まえ、企業として社会の変革に貢献することを目標に掲げています。
当社はこれまで、人間の創造性と企業としての公益性という2つの軸をぶれさせることなく活動してきました。今後も売上高1,000億円規模の企業体を目指し、取り組んでいきます。
中長期の成長戦略

中長期の成長戦略を掲げる中で、大きく5つのポイントがあります。まず、事業戦略としては「ケイパビリティの拡張」「産業・市場の拡張」「地域の拡張」が挙げられます。また、事業戦略を支える2つの戦略として、「投資戦略」と「人財戦略」があります。これら3つの拡張と2つの戦略が当社の成長戦略です。
事業戦略 ①ケイパビリティの拡張

事業戦略の鍵となる中心的な要素はケイパビリティの拡張です。1990年代から2000年代にかけては、従来の事業範囲である設計、解析、生産準備、すなわち試作品の提供を本業としてきました。2010年代に入ると、ものづくりのデジタル化が進展する中で、私たちは事業の拡張を進めてきました。
2020年代に入り、事業戦略の一環としてケイパビリティの拡張を進めています。上流領域では、3Dプリンターがお客さまのPoCにおいて研究段階の内容を試すために極めて相性が良いことから、これまで聖域であったお客さまの研究開発領域に当社が参入することが可能になりました。
また、下流領域では、技術革新が進む3Dプリンティングの中で、試作品ではなく量産品としての製造も可能となっています。この分野では、品質基準の厳しいトヨタ自動車株式会社から国内で初めて認証を受け、サービスパーツの量産を開始しました。このように対象プロセスの拡張を1つの戦略として掲げています。
従来、対象プロセスはハードウェア領域を中心に進めてきましたが、ものづくりのデジタル化によりソフトウェア領域の拡張が進む中、我々も2010年代からモデルベース開発の領域に参入しています。2020年以降は、ソフトウェアでは組み込み系ソフトウェア開発やデジタルリスク、サイバーセキュリティといった領域にも事業ドメインを拡張しています。
事業戦略 ②産業・市場の拡張 ③地域の拡張

当社はこれまで自動車産業を中心にサービスを提供してきましたが、ケイパビリティの拡張を踏まえ、今後さらに成長が見込まれる分野として、防衛を含む重工業、エネルギー、原子力などに参入しています。また、AIや航空宇宙といった新たな成長産業およびマーケットに対しても、事業領域を拡張していきます。
地域の拡張については、これまで海外拠点としてアメリカ、インド、中国の3拠点を有していましたが、北米市場をさらに重視する戦略の一環として、昨年にカナダ企業の事業をM&Aしました。さらに、自動車産業において東南アジアで非常に重要な役割を果たすタイへの進出を通じて、北米やアジアにおけるケイパビリティの拡張を図りながら、積極的に地域展開を進めています。
投資戦略 〜投資機能の強化〜

こうした事業戦略を支えるものの1つとして、当社が取り組んでいるのが投資戦略です。一昨年に投資戦略機能を設け、今年で3年目となります。既存事業を確実に成長させることに加え、既存事業で得た収益を活用して新規事業を展開するという方針のもと、これまでにいくつもの新規事業を自社で立ち上げてきました。
さらに成長を加速するため、上場により資金調達を行い、M&Aを積極的に推進しています。後ほど詳しくご紹介しますが、昨年はソフトウェア領域の拡張を目的として、東海地方の株式会社フューレックスというソフトウェア会社をM&Aしました。
また、投資活動として、CVCやファンドへの投資を行い、当社事業との親和性が非常に高い領域で関係性を広げています。そこから新しい事業を創出していきたいと考えています。
人財戦略 〜採用体制の強化と人財育成〜

事業戦略を支えるもう1つの要素が人財戦略です。当社では、テクノロジーと人財がキードライバーとなっています。そのため、経営戦略と人財戦略をいかに連動させて推進していくかが重要です。
上場時にもお伝えしましたが、採用体制を強化した結果、当時は200名程度だった採用者数が、昨年に350名を超え、現在では500名体制に近づいています。採用体制が整いつつある状況です。
さらに、人事制度にも手を加え、昇給や報酬体制の強化をしっかりと進めています。また、積極的に人財を適材適所に配置することで、まさに人的資本経営を実践しています。
成長戦略ロードマップ 〜体制強化への投資完了〜

売上高1,000億円規模の企業体を目指すために、まずは500億円から600億円規模の体制を確立するための先行投資が2025年12月期に完了しました。ホールディングス化が実現し、体制が整ったため、ここから一気に成長を加速させていきます。
今年はまさにターニングポイントとなる年です。管理機能の強化や投資戦略の構築、採用体制の強化はほぼ完了し、今後は成長を加速するフェーズに入っていきます。
売上高成長による利益創出の路線に復帰

一番重要な点として、私たちは単に成長を遂げるだけでなく、先ほど述べた先行的な体制強化が完了したことによって、利益創出の路線へと復帰することになります。スライドのグラフを見るとわかるとおり、四半期ごとの売上高は継続的に成長を遂げています。
一方、粗利と販管費の関係については、これまで体制強化と事業の成長を同時に進めてきたため、一定の投資費用が発生していましたが、2025年12月期に体制強化が終わりました。そのため、これ以上大きな費用をかける必要がなく、さらに季節性を考えると、第3四半期から第4四半期にかけて200名近い新卒採用者の稼働が上がっていきます。これにより粗利と販管費の差が生まれていく構造を継続できるため、徐々に収益を回復していけると考えています。
決算ハイライト

決算ハイライトです。2025年12月期の売上高は257億7,900万円と、おかげさまで過去最高を達成しました。売上総利益も過去最高の72億7,400万円で、前期比12.8パーセント増となっています。
一方、営業利益については体制強化の投資に加え、M&Aや事業戦略への投資も継続したことで、8,500万円となりました。本来は5億円の営業利益を目指していましたが、第2四半期、第3四半期に自動車産業において売上および粗利の未達が発生したため、今回の結果となっています。当期純利益はマイナス3,600万円となりました。
売上高・売上総利益

過去から年率10パーセント以上の高成長を続けており、2025年12月期は売上高で13.5パーセント、売上総利益で12.8パーセントの成長を達成しました。
四半期売上高推移

四半期ごとに見ると、第2四半期は新卒が入社するタイミングやゴールデンウィークの影響で一時的に稼働が抑えられるかたちとなり、売上が下がる傾向があります。しかし、第3四半期から第4四半期にかけては新卒の稼働も高まり、売上が伸びるため、2025年12月期第4四半期は当社として初めて70億円を超える売上高を達成しました。
売上成長の推進力:持株会社化体制移行による中核事業会社の事業拡大

2025年7月に持株会社体制への移行が完了し、「自主自律経営」の方針のもと、3つの中核事業がそれぞれ戦略性をもって成長しています。
1つ目に、最大の母体であるSOLIZE PARTNERS株式会社では、主にエンジニアリング・マニュファクチュアリングの既存事業を中心に展開し、昨年は7パーセント弱の成長を遂げました。2つ目に、既存事業を中心とするコンサルティング・エンジニアリング事業は、約20パーセントの成長を達成しています。
3つ目のビジネスインキュベーション事業では、新規事業の創出に加え、2020年以降に自社で立ち上げたソフトウェア企業である株式会社STELAQが200名を超える規模に成長しました。さらに、昨年はM&Aにより株式会社フューレックスを加え、全体では86.5パーセントの成長を記録しています。
売上成長の推進力:中核事業会社における事業戦略のおもな取り組み

各中核事業における事業戦略の主な取り組みとして、中心となるケイパビリティの拡張においては、自動車向けの少量量産部品の受注が増加しています。領域の拡張としては、サイバーセキュリティ分野や、株式会社STELAQが順調に成長しています。
また、産業の拡張については、現政権の中で重工業が今後成長すると期待されています。当社はここに積極的に参入し、2026年にはさらなる成長が期待できると考えています。さらに貿易企業を含めた需要も見込まれます。
市場の拡張については、我々はもともと自動車産業に強みを持っていましたが、新たに二輪事業にも進出しています。地域の拡張としては、先ほどご説明した部分に加え、東海地域の株式会社フューレックスや、北米、タイへの進出も進めています。
売上成長の推進力:戦略投資活動

投資戦略についてです。M&Aとしてはカナダに進出し、株式会社フューレックスについては先ほど触れたとおりです。また、CVCではシリコンバレーのSoma Capital Management LLCに出資し、シナジーによる架け橋となることを見据えた投資を行っています。
さらに注目すべき点として、MRI環境を扱うスタートアップのMedical Devices Corner Inc.にも投資を行っています。同社は全米スタートアップの中でベストテンに入るほどの企業です。ここでは単なる出資にとどまらず、我々が開発や設計の一部を担っている点が特徴です。
売上成長の推進力:採用数の増加

人財戦略においても体制強化を進める中で、当社は採用数を着実に伸ばし、昨年は360名の大台に達しました。
期初業績予想に対する売上高の差異について

営業利益が計画未達となった理由についてご説明します。スライドに示しているとおり、上期は売上高の予想と実績がほぼトントンの状態でした。
しかし、第2四半期からトランプ政権による関税問題の影響を受け、顧客である自動車産業の受注が滞りました。この影響は第3四半期にかけて大きく表れ、結果的に下期の業績予想を大きく外し、粗利が減少したことに伴い営業利益も下がりました。
ただし、これはあくまでも一時的な問題であり、2025年12月期第4四半期には徐々に回復傾向となっています。その結果、おかげさまで四半期として初めて70億円を超える売上高を達成することができました。
成長に向けた費用内訳

販管費の内訳です。ここで注目していただきたいのは、売上の増加に伴い、粗利を前期比で8億2,500万円増やすことができた点です。体制強化には3年かけて取り組んできましたが、その費用が5億6,800万円増加、さらに持株会社移行に伴う費用が約1億円と、合わせて7億円弱を体制強化に使ってきました。
2026年12月期においては、事業成長のためのM&A費用や事業拡張に向けた拠点開設などの費用が一定程度発生します。ただし、体制強化は持株会社化を含めてほぼ完了しているため、今期以降はその費用の増加は鈍化すると考えています。
連結損益計算書

損益計算書の中身についてです。2025年12月期の売上高は前期比13.5パーセント増、売上総利益は前期比12.8パーセント増となりました。
販管費については、体制強化と事業成長への投資として12億円ほど使用していますが、そのうち7億円程度は今後増加が鈍化する見込みです。営業利益は一時的な粗利の減少の影響もあり、8,500万円にとどまっています。
連結貸借対照表

貸借対照表です。M&Aによりカナダの事業および株式会社フューレックスをグループに加えた結果、流動資産から固定資産に資金が移動しています。純利益については、配当金の支払いなどにより繰越利益剰余金が一部減少しています。
重視する経営指標

重視する経営指標についてです。国内のエンジニア数および採用数を順調に増やすことができています。当社の事業全体では、エンジニアリングサービスにおける派遣と受託の比率がほぼ同じとなっていますが、派遣単価は5,000円近くまで引き上げることができました。
派遣稼働率については、昨年に比べ新卒が多く入社する中で、第2四半期から第3四半期にかけて一時的に受注が低調だった影響で一部遅れが生じました。しかし、期末には稼働率が高い状況を作ることができています。
2026年12月期 連結業績予想

2026年12月期の連結業績予想です。売上高は前期比18.3パーセント増の305億円を見込んでいます。営業利益は昨年の8,500万円に対し、今年は5億円を予想しています。我々は収益回復基調に乗っていき、利益を確保していきます。経常利益は5億円、当期純利益は3億円を見込んでいます。
営業利益創出のフェーズへ

その裏付けとなるのは、体制強化への投資が終了したことです。今後の売上成長や粗利の純増に関しては、事業成長への投資として販管費の投入は継続するものの、スライドのグラフにある矢印の角度の違いからもわかるとおり、収益の回復を積み重ねられるかと思います。
配当

株主還元についてです。2026年12月期も55円の配当を維持する方針です。私どもとしては、株主のみなさまとの関係性においても一時的なボラティリティを反映するのではなく、中長期の成長をともに推進し、その成果を共有できるよう、還元を継続していきたいと考えています。
私からのご説明は以上です。これにて決算説明会を終了します。本日はありがとうございました。
