三菱重工業<7011>は2月4日、2025年度第3四半期(25年4月-12月)連結決算を発表した。売上収益が前年同期比9.2%増の3兆3,269億円、事業利益が同25.5%増の3,012億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が同22.6%増の2,109億円となった。受注高はエナジー事業の好調により同12.6%増の5兆291億円と大幅に伸長し、受注残高も12兆2,474億円と過去最高水準を更新している。ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)や防衛・宇宙などの主力事業が利益を牽引しており、旺盛な需要を背景に大幅な増益を達成した。
セグメント別の動向では、エナジー事業において世界的な電力需要拡大を背景に、GTCCが北米やアジアで極めて好調な受注を維持している。同社は出力200メガワット以上の大型ガスタービンに注力しており、実証設備での長期検証を経た高い信頼性が顧客から評価されている。原子力事業でも、我が国における加圧水型軽水炉(PWR)の独占的サプライヤーとしての地位に加え、沸騰水型軽水炉(BWR)関連の受注も進んでいる。また、航空・防衛・宇宙事業では、過去2年間に受注したミサイル関連案件の売上計上が進捗したほか、民間航空機の「787」向け主翼の出荷機数が月産7機程度まで回復しており、機数増に伴う利益率の向上も寄与している。
利益面では、良好な受注環境を活かした採算重視の選別受注や、伊藤社長が掲げる経営施策「Innovative Total Optimization(略してITO)」の一つである社内横断的なリスク審議体制による商談受注前の厳格なフロントローディングが奏功し、採算性が向上している。物流・冷熱・ドライブシステム事業では冷熱事業において中国市場停滞等の影響を受けているものの、データセンター向けの非常用発電エンジンが伸長し、収益を支えている。キャッシュ・フロー面でも、GTCCなどでの多額の前受金獲得により営業活動によるキャッシュ・フローが2,567億円の黒字へと劇的に改善しており、創出した資金は成長投資へ優先配分する方針である。
2025年度通期の連結業績予想については、第3四半期までの順調な進捗と受注環境の好転を踏まえ、上方修正を発表した。売上収益4兆8,000億円(前期比10.1%増)は据え置いたものの、事業利益は前回予想比200億円増の4,100億円(同15.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は同300億円増の2,600億円(同5.9%増)を見込んでいる。受注高予想も前回公表値より6,000億円増の6兆7,000億円へと大幅に引き上げた。年間配当金は1株当たり24円(中間12円、期末12円予想)を維持し、DOE(株主資本配当率)4%以上の目標に則った還元を進めるほか、今年度のROE10%達成についても確実視している。
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