■今後の見通し
2026年6月期の連結業績については、売上高で前期比15.0%減の55,000百万円、営業利益で同10.6%増の2,900百万円、経常利益で同1.9%増の3,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同18.4%増の2,772百万円を見込んでおり、期初予想を据え置いている。
And Doホールディングス<3457>は2025年8月に2030年6月期を最終年度とする新中期経営計画を発表しており、現在の事業ポートフォリオの「選択と集中」を進めることで収益体質の強化を図る。2026年6月期はこの計画の初年度となり、事業ポートフォリオの移行期となるため、人員の移動の影響もあり全体の売上高は減少を見込んでいるが、収益性の高い事業の比率を高めることで前期比10.6%の営業増益を目指す。なお親会社株主に帰属する当期純利益の増益率が高いのは、「リフォーム事業」の譲渡(売却)を行ったことによる。
新しい事業計画に沿って、2026年6月期からセグメントが組み替えられた。まず、前期までの「リフォーム事業」は、「その他」に入るが、「リフォーム事業」は2026年2月に事業譲渡した。さらに、前期までの「不動産流通事業」が「不動産売買事業」に組み入れられた。
セグメント別の見通しとしては、特にフランチャイズ事業、リバースモーゲージ保証を中心とした金融事業、不動産売買事業に注力する。
(1) フランチャイズ事業
フランチャイズ事業の売上高は前期比6.0%増の3,405百万円、営業利益は同5.2%増の2,020百万円の見通しである。引き続き人材採用やプロモーションへ積極投資を継続し、都市部を中心とした新規加盟の獲得に注力することで、増収増益を達成する計画だ。
(2) 不動産売買事業
不動産売買事業(旧 不動産流通事業を含む)の売上高は42,688百万円(同7.1%増)、営業利益3,590百万円(同41.2%増)を見込んでいる。戦略の中核である中古住宅の買取再販を一段と強化し、オペレーションの効率化を通じて利益率及び回転率の改善を図る。
(3) 金融事業
金融事業の売上高は前期比37.8%増の776百万円、営業利益は同123.5%増の400百万円の見通しである。都市部を中心に取り組みを強化することで残高積み上げを加速させるほか、2026年6月期から開始した「事業性極度保証」による積み上げもねらう。
(4) ハウス・リースバック事業
ハウス・リースバック事業の売上高は前期比60.0%減の7,776百万円、営業利益は同58.9%減の930百万円を見込んでいる。前期に続き取扱件数を大幅に抑制する方針を堅持しており、今後は中核事業としてではなく、金融事業の補助的役割などポジションを変えて継続する。
■中長期の成長戦略
新中期経営計画では2030年6月期に経常利益80億円を目指す
1. 新中期経営計画の概要
同社は、前中期経営計画が2025年6月期で終了したことに伴い、2030年6月期を最終年度とする新たな中期経営計画を策定した。基本方針に、1) 注力事業のウェイトシフトにより、事業ポートフォリオを再構築する、2) 資本回転率の向上と利益率改善により、安定的かつ高いキャッシュ・フローを創出する、3) 資本収益性を高め、持続的に企業価値向上が可能な基盤を築く、の3つを掲げている。
具体的な数値目標(最終年度)は、売上高800億円(2025年6月期実績64,735百万円)、自己資本比率30%以上(同25.6%)、経常利益80億円(同2,620百万円)、ROIC6.0%以上(同2.6%)、当期純利益53.0億円(同2,341百万円)、配当性向30%以上(同37.9%)を目指す。
2. 事業ポートフォリオの再構築
成長性・収益性の高い事業に資源を集中する「選択と集中」を進める。具体的には「フランチャイズ」「不動産売買」「金融(リバースモーゲージ保証)」の3つの事業に集中し、強固な3本柱を確立する戦略である。
(1) フランチャイズ事業
同社のサービスインフラの基盤として、さらなる強化を図る。開発余地のある都市部を中心に広告・人材を投下する一方で、人材補強により新規加盟開発と既存加盟店へのサポートを強化する。数値目標としては、最終年度に累計加盟店数960店舗(前期末725店舗)を目指す。
(2) 不動産売買事業
コロナ禍において積極仕入れを経て飛躍的に成長したが、今後も流動性の高い地方都市部を中心に人材補強と並行してエリア拡大を図る。中古住宅買取再販に注力しつつ、市場のニーズに応じた不動産を提供する。引き続き成長ドライバーとして売上高年平均成長率11.4%を目指し、最終年度には売上高685.1億円(前期39,872百万円)を計画している。この結果、住宅系売上高に占める中古住宅の比率は54.2%(同29.0%)へ上昇し、結果として資本回転率・資本収益性の改善に寄与する。これらの目標を達成するためには営業人員の強化が不可欠だが、期中平均の営業人員数を最終年度には250.0人(同59.3人)へ増加させる予定である。
(3) 金融(リバースモーゲージ保証)事業
不動産価値の高い都市部を中心に、新規提携先の開拓及び既存提携先の接点を強化する。保証残高の積み上げに加え、将来的な不動産処分時の収益機会増加を見込み、受け皿の体制を構築する。2026年6月期から開始した「事業性極度保証」による積み上げも期待されており、数値目標としては、最終年度に新規保証額324.0億円(同9,619百万円)、保証残高1,250.0億円(同28,178百万円)を目指す。
3. 資本効率(ROIC)の改善
最終年度にROIC6.0%以上を達成するため、多角的な施策を講じる。売上原価率については、高利益率事業の成長と不動産売買における仕入精度の向上を通じて改善を図る。販管費率に関しては、事業の「選択と集中」及び業務効率化による間接部門コストの削減を推進する。また、中古住宅買取再販の強化による在庫回転率の向上で運転資本回転率を高めるとともに、不必要な固定資産の売却による資産圧縮を通じて固定資産回転率の改善を図る。
■株主還元策
2026年6月期の年間配当は46.0円、配当性向33.1%を予定
同社は、配当金による株主還元を重視している。2024年6月期の1株当たり年間配当は43.0円(配当性向34.5%)、2025年6月期は45.0円(同37.9%)を実施し、2020年6月期から連続増配を続けている。2026年6月期に関しては46.0円配当(同33.1%)を予定している。
また、同社株式への投資の魅力をより一層高め、流動性向上及び投資家層の拡大を図ることを目的に、株主優待制度を運用している。毎年6月末日現在の同社株主名簿に記載または記録された同社株式5単元(500株)以上を保有する株主を対象に、保有する株式数に応じたポイントを付与する。株主は、限定の特設サイトにおいてポイントを食品や電化製品、ギフトなどに交換できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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