また外資に売却? 東京都の「下水道運営権」で誰がどれだけ得をするのか=三橋貴明

記事提供:『三橋貴明の「新」経世済民新聞』2018年1月5日号より
※本記事のタイトル・リード・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部によるものです

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東京都が下水道を民営化!? 公共サービスに寄生するのは誰なのか

公共セクターからカネを搾り取る人たち

グローバリズムのトリニティとは、「規制緩和」「自由貿易」「緊縮財政」の3パッケージになります。

規制緩和の中でも、レント・シーカーたちにとって最も「美味しい」市場は、公的分野になります。

ノーベル経済学者ジョセフ・E・スティグリッツの言葉を引用します。

アメリカの政治制度は上層の人々に過剰な力を与えてしまっており、彼らはその力で所得再配分の範囲を限定しただけでなく、ゲームのルールを自分たちに都合よく作りあげ、公共セクターから大きな”贈り物”をしぼり取ったからだ。

経済学者はこのような活動を”レント・シーキング”を呼ぶ

米国の経済と社会は、グローバリズムという「鵺(ぬえ)」により、レント・シーカーの王国と化していきました。

規制緩和・民営化が進む背景とは

公共セクターを規制緩和、民営化し、民間の「ビジネス」と化すために必要なものは何でしょうか。

答えは、緊縮財政とデフレーションです。デフレにより、政府の財政が悪化する。すると、緊縮財政。「今までは官が提供していたサービスだが、緊縮財政の一環として民間に委ねる」というレトリックが力を持ち、アメリカや日本の公共セクターは「民営化」され、そこに新規参入したレント・シーカーが儲けるという構図です。

例えば、地方財政の悪化を受け、「行政窓口」の民営化が実行に移されました。結果的に、パソナをはじめとする派遣会社が、行政窓口の仕事を「受注」し、多いに儲けています。

パソナの取締役会長である竹中平蔵氏が、政府の諮問会議の「民間議員(と称する民間人)」として、民間企業のビジネスを生み出す規制緩和政策を推進しているのはご存知の通り。

これが、経済が好調で、地方財政も潤沢であれば、行政窓口は普通に公務員でいいわけです。「それでは儲からない」というわけで、財政悪化を大義名分に緊縮財政。緊縮財政の一環として、政府の公共サービス、公的セクターを民営化するというスキームになっているのです。

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