配当が目的なら心配無用か
以上の話をまとめますと、まずはJTの財務は言われているほど厳しくないですし、ビジネスモデルを考えると今後も安定したキャッシュフローを生み続けるということが考えられます。
今の業績の落ち込みは国内事業が急にシュリンクしたことによる、リストラ費用が一時的に計上したされたということと、海外の通貨が下がってしまっているということになります。
また一方では、この減配の理由としては国内をリストラする為の、仁義を切ったのではないかということが考えられます。
このリストラが終わると、やがては増益要因という風になり得ますから、このリストラが終わった暁にはまた配当も元ぐらいの水準には戻るのではないかということは想定されます。
そういった意味で配当目的で投資している投資家にとっては、そんなに心配する必要がないのではないかということが考えられます。
実際にこの130円という配当をベースにすると、配当利回りはなお6パーセント程度あります。
そんなに株価の変動を気にせずに配当を受け続ければいいのではないかという風に考えます。
高配当株投資というのはそもそもあまり成長が見込めないところから、一方ではキャッシュがどんどん生まれてくるといったものを絞り出していくと、成長には期待せずに淡々と配当を受け続けるというのが好配当株投資の特徴になりますから、それを考えるとなんら慌てるものではないということになります。
もっとも別の動画で解説しているのですが、私自身はJTを持ってはいるのですが、高配当株投資は過去やっていたものは辞めてしまいました。
というのも、どちらかいうと成長する銘柄に集中したということになります。
どっちが良いということではなくて、配当によるキャッシュフローというのは非常に大きいですし、一方では高成長によるキャピタルゲインというのはこれは上手くいけばかなり大きなリターンが見込めますがリスクも相応にあるということになります。
どちらも天秤にかけて、自分に合った投資手法というのを選べば良いということになります。
(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)
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『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2021年2月15日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。