大阪府や大阪市は、パソナにかなり広範囲に業務委託しています。維新の会は職員を大幅に削減しましたが、その穴埋めとしてパソナに巨額の業務委託を行ってきたのです。それが、協力金の支給遅れなど、大阪の行政能力を大きく低下させた要因です。すべては橋下維新とパソナ会長・竹中平蔵氏の深いつながりが元凶になっています。(『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』大村大次郎)
※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2021年7月16日号を一部抜粋したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:大村大次郎(おおむら おおじろう)
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に『あらゆる領収書は経費で落とせる』(中央公論新社)『悪の会計学』(双葉社)がある。
大阪府は協力金の支給も全国最悪
当メルマガでは前回までに、大阪が日本で最悪の死者を出したのは橋下府政以来の失政が原因であったことを述べてきました。
また橋下府政以来、大阪の人口は大都市としては異常な減少をしており、特に子育て世代は大きく減っているということもご紹介しました。
しかも橋下維新の失政はこれだけにとどまりません。
大阪は行政力自体が大きくパワーダウンしているのです。そして、大阪の行政力のパワーダウンには、あの竹中平蔵氏のパソナが大きく関係しているのです。
一部で報道されましたが、飲食店に対する協力金の支給が大阪はもっとも遅れているのです。
2021年の6月13日の朝日新聞の報道では、今年1月に2度目の緊急事態宣言が出された11都府県のうち、支給がもっとも遅れているのは大阪府とのことでした。11都府県のうち6府県は90%を超えていましたが、大阪はわずか64%で断トツのビリだったのです。
この協力金は、実質的に国が負担しており、都府県は支給事務を行えばいいだけでした。にもかかわらず、支給がこれほど遅れているのです。
そしてこの協力金の遅れに関しては、パソナが関係しているのです。
というのも、大阪府は協力金の支給事務作業において、パソナに全面的にパソナに委託していたのです。
東京都では300人の職員と300人の派遣スタッフが事務作業にあたっていたのに、大阪府は20名の職員、400名のパソナ派遣社員でこの業務をやっています。
しかも大阪の場合は、これでも倍に増員しているのです。以前はこの半分の人員で行っていたのです。
重要な作業を外部委託したことが、大阪府の支給遅れの原因であることは間違いないのです。
維新の吉村知事は常々「行政の責任は僕にある」などと言いますが、具体的には何も責任を取っていません。
それどころか大阪の医療崩壊や協力金の遅れについて、維新は何も責任を感じていません。
だから、原因を追究したり改善策を検討するというような作業もほとんど行われていません。もし、新型コロナのような災厄がまた訪れたら、大阪はどうなるのでしょうか?
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