500円玉が日本のサービス料金を抑えている
500円玉といえば、前々から日本のサービス料金上昇を抑える「影の犯人」じゃないかと疑いたくなるところがありまして。理由は「チップ」です。
アメリカなんかに行くと、ホテルのベッドメイキングに1ドル「札」を1枚から数枚、荷物を運んでくれる人にも1ドル「札」と、チップには常に紙幣「札」が登場します。
これが硬貨(コイン)だと、どこか蔑んでいる感覚がして。「札」は手渡しじゃないとダメですが、コインは投げても大丈夫。トレビの泉にしても、日本の賽銭にしても、基本はコインです。サッカーなどスポーツの陣地とボール保有を決めるのも「コイントス」。
やっぱり硬貨をチップ(サービスへの対価・お礼)として渡すのは、軽い感じがします。かと言って、日本で1,000円札を渡すわけにも行かず。高過ぎます。
結局、チップに相当する文化・習慣は醸成されず……ではないかと。
転じて、CPI(消費者物価指数:Consumer Price Index)での、サービス価格(運賃や授業料など人が関係する価格)は、いつまで経っても上昇しないまま。
てことで、500円貨幣に高度な技術を採り入れるほど、日本の給料は上がらないって結論に至ります。強引ですけど。
今回のまとめ
・11月1日、新しい500円玉が登場します
・「バイカラー・クラッド」、世界初の「異形斜めギザ」など日銀・財務省は鼻高々
・高額硬貨が流通すると、チップは渡し難いんですけど
『徒然なる古今東西』(2021年10月27日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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