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ブームは来ない?Facebookが「メタバース」に傾倒する理由と注目すべき2銘柄=栫井駿介

苦肉の策?社名変更にザッカーバーグの思惑が見え隠れ

まず、Facebookが収益源とした広告ですけれども、コストはそれほどかからないうえに、どんどん広告収入が入ってくる状況でした。

実は世界のネット広告市場は、今やテレビを逆転するほど大きく伸びていて、その大部分はGoogleとFacebookに占められているのです。Google、Facebook、そしてその他大勢という感じです。その市場の拡大でものすごく儲かって、余剰資金が6兆円もあるということです。

今回このメタバースに1兆円を投資すると言いましたが、実はFacebookにとっては大した金額でもなかったりするわけです。

そして、特にアメリカなんかで上場していると、今後どうやって成長していくのかということを詰められますから、そのプレッシャーを受けてひねり出した1つの答えが、このMetaなのではないかと思われます。

さらに、Facebookは実はスキャンダルにまみれた会社でもあり、これから逃れさせようとする、会社よりザッカーバーグCEOの思惑が、見え隠れします。

業績伸びるも成長率が鈍化するFacebookの現状

Facebookの現状を見てみると、業績は見事に伸びています。しかし、成長率を見るとどんどん鈍化しているわけです。

これも当然と言えば当然で、Facebookのユーザー数は33億人で、中国抜きでこの数ですから、新たなユーザーは地球上にほぼおらず、伸びしろが無いという風にも言えます。

収益源はFacebook広告のみですから、これ以上、広告を上積みするというのは難しい。そう考えると、やはり新たにビジネスのセグメントを立ち上げて収益源の多角化を図りたいということが1つあると思います。

また、インスタグラムやワッツアップを買収したりもしましたが、結局はFacebookしかない”一発屋”と言われたりもしたので、他にもいろいろできることを示したいという、ザッカーバーグ氏のプライドの問題もあるのではないかと想像します。

スキャンダルの数々

現状を見ると、成長性は鈍化の傾向をたどっていて、今では様々なスキャンダルを抱えている会社でもあるわけです。

例えば、2016年のトランプ大統領が当選した時の大統領選挙に関して、ロシアとの絡みで個人情報が流出したりとか、あるいは有権者の判断を変えてしまうようなフェイクニュースを流していたという報道もありました。

その後、次々にスキャンダルが出てきて、これに耐えかねたのか、翌年にはある意味社運をかけて仮想通貨「リブラ」を発表しました。

しかし、当時ビットコインが流行っていて、世界の国々が仮想通貨によるマネーロンダリングなどを恐れているなか、影響力の大きいFacebookによるリブラの発表だったので、各国政府の反発を招いて潰されることとなりました。

結果として、リブラは「ディエム」と名前を変えましたが、未だに使える状態にはなっておらず、現実的には当初想定されていた世界中の通貨をすべてプールして加重平均で計算できるというものではなく、電子マネーのようなものになるのではないかという、大々的に立ち上げた割には尻すぼみになってしまっています。

これは事業にはほとんど影響はありませんでしたが、叩かれた反発として新しいサービスが出てくるというのは、ザッカーバーグ氏の特性なのではないかと思います。

2021年9月には、インスタグラムなどが青少年に悪影響を与えるのではないかという議論がFacebook内で出たにもかかわらず、利益を優先して何の対策も取らなかったという内部告発があり、アメリカの議会に呼ばれて証言させられることがありました。

今もまた叩かれている状況で、突然の社名変更とメタバースへの注力の発表ということは、時流に乗った新たなワードを用いて世間の目を逸らそうとしているのではないか、という想像ができます。

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