メタバースブームはやって来るのか?
「メタバース」への投資で1兆円という金額は確かに大きいですが、世の中全体に与えるインパクトとしては、実はそれほど大きくはないわけです。
今メタバース関連で株価が上がっている企業が多いですが、少なくともFacebookの動きから直接メタバースが持ち上げられているかというと、まだまだ弱いというのが現実ではないかと思います。
一方で、Facebookがメタバースで仮にうまくいかなかったとしても、メタバースが世の中に広まることで、伸びる会社もあるのではないかと想像できます。
では、本当に流行るのかというところです。
メタバースというものはVRゴーグルを付けて仮想空間に実際にいるように感じられるものですが、視覚と聴覚を仮想空間に持っていかれて、現実の世界ではかなり危険な状態となります。
そして、かなり疲れます。
少しの時間ならまだいいですが、仕事のたびにVRゴーグルを付けるとなると、かなり辛いです。
テレワークならZoomやTeamsで事足りてますし、ホワイトボードを使った会議をやろうと思ったらVRよりも実際に会社に集まった方が早くて楽です。
アメリカの調査でも、68%の人がメタバースに「興味がない」と答えています。少なくとも現在の技術ではメタバースにメリットはないというのが現状です。
しかし、メタバースをそれで切り捨ててしまうものでもなく、実は「メタバース」という名前は付いていませんが、成功している分野があります。
メタバースを活かせるのはゲーム・エンタメの世界
それは「ゲーム」の世界です。
任天堂の『あつまれ どうぶつの森』は大ヒットしました。ゲームの中で友達とオンラインで繋がって会話したりしながら家や村を作っていくゲームです。
ゆくゆくはその感覚で、コミュニティを作ったり、仕事をしたりするようになる可能性は十分にあります。
ただ、それをVRゴーグルを付けてやる必要があるかというのは、別の話になります。
アメリカ発の「FORTNITE」も、オンラインで声などでコミュニケーションをとりながら進めていくゲームで、登録者が3.5億人もいる大ヒット作となりました。
つまり、現実のことをするために仮想世界に入る必要は無く、現実から逃れたいために仮想世界に入るという側面が大きく、メタバースは結局これらのゲームの延長になると考えるのが自然ではないかと思います。
進歩というものはある時突然訪れるものではなくて、前身があって少しずつ進歩していき、長期的なトレンドになっていくものです。
そしてそのトレンドに乗っていく企業を安いうちに買っておくことが、長期投資の基本になると思います。
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