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中国テニス選手“失踪”で見えた習近平の瀕死。カネで買えたIOCバッハ会長、買えなかった人権団体=江守哲

「北京五輪」成功が目下の優先事項

さて、彭選手は、中国共産党の幹部だった張高麗前副首相から性的関係を強要されたとソーシャルメディアで告発した後、消息が分からなくなった。

都合が悪くなると、このようなことが起きる。何が起きているのかを想像することは可能だが、実際に何が起きたかを確認することは難しい。

彭選手は、結局約3週間にわたり姿がわからなくなった。有名なテニスプレイヤーだったこともあり、国際的にも懸念されていた。大坂なおみ選手も懸念を示したほどである。当然であろう。

しかし、彭選手は、北京で姿を見せたという。さらに驚いたのは、国際オリンピック委員会(IOC)が21日、バッハ会長とのテレビ電話で、「彭選手が自宅で安全に元気で生活している」などと話したと発表したことである。

どうやってIOCという外部組織が彭選手と連絡をとることができたのだろうか。さらに、なぜIOCという組織が、彭選手が元気であることをアピールすることになったのだろうか。

普通に考えれば、かなりおかしなことが起きていることが誰にでもわかるだろう。

しかし、これには政治的な背景があることも、おそらく容易に理解できるはずである。来年は冬季の北京五輪が開催される。何か大きな問題があっては、中国政府もIOCも困る。

このような問題が大きくなる前に、IOCも取り込んで国際問題にならないように裏で動き、バッハ会長にパフォーマンスをさせたのだろう。あまりに単純すぎて、笑ってしまうほどである。

IOCバッハ会長は中国の言いなりか

しかし、それもおそらく中国の思惑なのだろう。わかりやすいシナリオにしておけば、多くの人間が想像できる。そうすることによって、むしろ馬鹿にするほうに目を向けさせる意図があるのである。

そうすれば、国際問題が、中国政府の政治的な行動の浅はかさに向くことになる。しかし、ことの本質は、問題を起こした政治家の更迭であり、永久追放である。

無論、IOCのバッハ会長は中国の言いなりである。相当の資金をもらっているのだろう。そう考えるのが自然である。ピエロを演じれば、多額の「演技料」が入ってくる。これほどおいしい仕事はないだろう。

それにしても、バッハ氏という人間は、節操がない。日本でも勝手に街に出て、顰蹙を買っている。自分の興味のあることと、お金にしか関心がないのだろう。組織のトップとしては「最悪」である。

しかし、IOCとはそのような組織なのだろう。そうでないのであれば、そう思われないような態度を見せてほしいものである。もっとも、そうでないのだから、取り繕っても無駄なのであろう。いわゆる「開き直り」である。

結局のところ、IOCは中国に利用され、IOCは中国を利用して北京五輪開催の道筋を残したことになる。これでよいのだろう。それにしても、ひどい輩たちである。

この結果、中国共産党の権威失墜は避けられることになる。彭選手については、いまどのような状況にあるのかは、最後までわからず仕舞いである。実際の所在地も不明である。

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